【表題】 プラズマ脱臭装置による下水処理場水処理系臭気の脱臭効果

【著者名】 藤平弘樹;宮澤裕三;上野孝司;前田洋輔;渡辺行雄;穴田健一
【所属】 (株)タクマ中央研究所;東京都下水道局;(株)タクマアメニティシステム部;(株)タクマ水処理設計部
【発行年】 2002
【雑誌名】 用水と廃水
【巻】 44−5
【頁】 12−19
【要約】 現在、下水処理過程から生ずる臭気は、活性炭吸着、充填塔式生物脱臭、薬液洗浄、土壌脱臭等によって処理されている。なかでも最初沈殿池や生物反応タンクなどの水処理施設から発生する臭気は、活性炭により吸着されている場合が多い。活性炭は使用に伴って吸着帯が移動し、やがて吸着力が激減して破過にいたる。一旦破過すると直ちに臭気が外部に漏れる。現状ではこの活性炭の寿命を予測することは困難で交換時期は経験的判断に頼っている。そこで、本研究では、より効果的かつ安価な処理システムをねらいプラズマ脱臭技術の適用性を調査し、プラズマ脱臭装置における放電が触媒(アルミナーシリカ系)に及ぼす影響、触媒効果が臭気物質の吸着によって低下した場合の対処法を実験的に検証した。プラズマ脱臭装置は、最初の放電部と次の触媒部で構成され、高圧電源を用いて被処理ガス中で沿面放電式放電電極により放電することにより発生する活性分子、ラジカル、オゾン等を酸化剤として臭気物質を酸化処理するものである。プラズマ脱臭装置では、オゾン脱臭装置と異なり被処理ガス中放電を行うので、全放電エネルギーが被処理ガスに供給されるので、臭気処理に必要なエネルギーがオゾンを用いるときよりも非常に小さくなるため効率がよいとされる。脱臭装置は、模擬ガスを用いた実験室装置で基礎実験を行った後、東京都水道局葛西処理場で実証試験装置による実験を行い、原臭気の特性、プラズマ脱臭装置の処理性能、放電処理による副生物の確認、触媒への無負荷運転効果を調査した。実験結果をまとめると、@アンモニアによる模擬ガス実験から、触媒に臭気物質が吸着飽和している状態でも、無負荷放電を行えば徐々に脱臭効果が復活することが分かった。A下水臭気ガスの主成分は硫化水素及びメチルメルカプタンであり、臭気濃度の変動は実測値で230〜5,500、場合によっては10,000になると想定された。B高濃度の硫化水素を指標にした場合、本技術は活性炭より効果的である、C原臭気の処理風量が1,000m3/hで臭気濃度が5,000程度の場合、0.2W/h/m3程度の放電消費電力で処理ガスの臭気濃度を300程度まで低減可能であった。Dプラズマ脱臭処理による新たな副生物は生じない、E実際の下水臭気ガスを 処理した触媒において、無負荷運転前には臭気濃度低減率が90〜92.5%であったものが、無負荷運転行った後には97.6%まで上昇した。この結果から、仮に臭気ガスの濃度変動によって高濃度臭気がプラズマ脱臭装置に流入し、触媒上に未分解の臭気物質が多量に吸着することで脱臭効果が低下した場合には、無負荷運転を行えば脱臭効果を改善できることが分かった。
【要約者】 渡邉昭三

[ 2005/03/15 掲載 ]


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