【表題】 下水処理における生物学的栄養塩除去とその課題

【著者名】 庄司仁;味埜俊
【所属】 東京大学大学院工学系研究科;東京大学大学院新領域剤成科学研究科
【発行年】 2002
【雑誌名】 用水と廃水
【巻】 44−7
【頁】 585−591
【要約】 下水処理における生物学的な窒素・リンの除去は、硝化及び脱窒反応による窒素除去と、ポリリン酸の高度な蓄積によるリン除去から構成される。これら3種類の反応は、それぞれ硝化細菌、脱窒細菌、脱リン細菌(ポリリン酸蓄積細菌)が担っている。標準活性汚泥は、有機物を酸化分解するための好気状態の反応槽で、好気性従属栄養細菌を集積するプロセスである。そして滞留時間を十分にとれば。硝化細菌を集積することも可能である。これに対して、脱窒には無酸素状態(酸素は存在しないが、硝酸か亜硝酸が電子受容体として存在する状態)の反応槽を、脱リンには嫌気状態(酸素・硝酸・亜硝酸が存在しない状態)の反応槽を、それぞれ組み合わせる必要がある。生物学的窒素除去は、原理的には、既に確率された技術といえる。実用上の課題は、より小さい反応槽で効率よく窒素除去ができるかどうかに集約される。一方、生物学的リン除除も、基本的な原理は理解され、主な設計諸元も確立されているが、リンを高濃度に含む余剰汚泥の取り扱い、雨天時の処理の不安定などの技術的課題が残っている。本総説では、生物学的栄養塩類除去の技術的課題と新技術開発が解説されている。技術的課題の整理として、設置のスペース、曝気量、細菌類の栄養源としての炭素量、汚泥処理、温室効果ガス、設計及び制御の最適化、新しい生物学的窒素除去技術について簡明に説明されている。次に最近応用されるようになった担体を利用した硝化細菌の保持について、担体の意義、固定化担体の効果について、包括固定化担体と結合固定化担体及び今後の課題を詳述している。細菌による炭素源の競合を緩和する技術について、初沈バイパス、ステップ流入式多段硝化脱窒法、外部硝化嫌気無酸素法について詳述している。最後に合理的なシステムの制御及び設計の方法について、制御に関する技術、活性汚泥モデルの活用が述べられている。
【要約者】 渡邉昭三

[ 2003/05/16 掲載 ]


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