【表題】 閉鎖最終処分場における環境リスク評価

【著者名】 坂田幸久;高橋富男;龍吉生;江藤秀二
【所属】 本技術開発(株)東京支社環境施設部
【発行年】 2002
【雑誌名】 用水と廃水
【巻】 44−11
【頁】 981−988
【要約】 環境に関するリスクの一般的イメージは、「危険性」であることが多いが、環境リスク評価におけるリスクとは、死亡や発ガン等ヒトが避けるべき事象の起こりうる可能性の大きさを示すものである。殆どの場合、超長期の継続的な摂取により初めて起り得る事象の可能性を評価するものである。環境問題全般を考える上で、リスク評価の特徴として挙げられるものは、@いかなる施策をとっても完全な安全はあり得ないことを前提とすること、A客観的な指標として、数値による判断基準として扱うことができる、B評価手法は分析方法等、技術の向上等の要素があればいつでも修正することができるー等である。本報告では、既に閉鎖している廃棄物最終処分場につぃて、最終処分場の周辺を含めた環境保全対策の検討及び策定を行ったケーススタディである。対象とした廃棄物処分場跡地は、自然の谷津田を利用した埋立地で、埋め立て終了後数年を経過し、敷地面積は約3万m2である。資料調査により、併設の廃棄物焼却工場から発生する焼却灰や、別途収集・破壊された少量の不燃物が約12万m3処分されている。敷地周辺の遮水は特に施されていない。覆土は現在でも良好な状態であった。調査事項は、地質及び地下水の状況、土壌の化学物質含有量である。調査結果により、この採集処分場の汚染移動メカニズムを明らかにし、汚染物質暴露経路を推定して、環境保全対策を策定した。対策には、「封じ込め案」と「汚染部除去案」を想定し、@キャッピング一部遮水案、Aキャッピング全部遮水案、B半キャッピング全部遮水案、C無害化案及びD除去案を比較検討した。対策案の評価のために、まず評価項目を選定し、対策案を対策進行段階別に技術の現状に基づき比較表を作成した。各対策案はその費用が異なり、また対策にかかる時間も大きく異なる。実施計画を策定する際には、費用・対策期間の他に、各時点での環境リスクと残存汚染物質量の評価が必要であり、この参考試算を行った。廃棄物最終処分場への環境リスク評価手法の導入は、情報の共有化、技術の発展が進む中で、廃棄物管理システムの再構築を論じる転機となる。
【要約者】 渡邉昭三

[ 2004/01/21 掲載 ]


[ 新規掲載リスト ] のページ に戻る