【表題】 An in vitro study of manure composition on the biochemical origins, composition, and accumulation of odorous compounds in cattle feedlots.(牛のフィードロットにおける臭気物質の生化学的起源、成分及び蓄積に対する排せつ物成分の影響のインビトロ研究)

【著者名】 Miller, D. N., Varel, V. H.
【所属】 アメリカ合衆国農務省農業研究局肉畜研究センター
【発行年】 2002
【雑誌名】 J. Anim. Sci.
【巻】 80
【頁】 2214−2222
【要約】 本実験の仮説は、@デンプンの乳酸への発酵は選択的かつ自己制御的であるので、新鮮牛ふんに基質を添加しても発酵生産物の蓄積と成分に影響を及ぼさない、A古いふんに対するデンプンの添加は低デンプン水準を補償し、そしてタンパク発酵を阻害する、一方タンパクの添加は、デンプンが不足になった後にのみタンパク発酵を刺激するーというものである。本研究の目的は、基質成分の異なる牛ふんが新鮮なまた古いふんのスラリーにおける臭気発生発酵産物の生産に及ぼす影響を評価することである。本実験ではデンプン、カゼイン、及びセルローズを基質として、新鮮ふん(24時間以内)と古いふん(1日以上)の実験室で作成したスラリーの培養フラスコに添加することが、発酵生成物の嫌気的生産と基質の消費に及ぼす影響を無添加の場合と比較している。基質の添加の有無に関わらず古い牛ふんは新鮮なふん(91−181mM/フラスコ)より多く(245−290mM/フラスコ)のVFAを蓄積した(P<0.001)。新鮮ふんでは、デンプンとセルローズを添加すると、VFA濃度は無添加に対して増加した(P<0.01)。一方古いふんに対するデンプンとタンパクの添加は無添加に比べVFA濃度を増加した(P<0.001)。側鎖のあるVFAと芳香性化合物は、無添加とタンパク添加の場合に、古いふんにのみ蓄積した。このことは、これらの処置でタンパク発酵が起っているを示している。基質の消失から判断すると、デンプン発酵は新旧ふんとすべての処置で優勢な反応過程であった(消失18.6g/L以上)。タンパク発酵は、古いふんでのみ起こり、特に無添加とタンパク添加の場合でデンプンが消失した条件下でみられた。ふんからの臭気物質の産生は、有効基質とpH、特に乳酸蓄積と関係するpHに支配されている。著者らは、石灰質の土壌と古いふんのスラリー中の乳酸を消費する微生物がスラリーの酸性化を最低限にし、そして臭気物質の多量の蓄積を起こすと考えている。基質の添加は、ふん中の臭気物質の全般的な蓄積に僅かな影響しか及ぼさないが、しかし臭気物質の成分には深い影響を及ぼす。著者らは、牛のデンプンとタンパクの排せつを制限する飼料配合が、フィードロットの臭気物質の産生と蓄積に大きな影響を及ぼすであろう提言している。
【要約者】 渡邉昭三

[ 2005/03/15 掲載 ]


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