【表題】 耕種農家が利用しやすい堆肥とは−良質堆肥づくりの条件と留意点−

【著者名】 原田靖生
【所属】 (独)農業技術研究機構中央農業総合研究センター土壌肥料部
【発行年】 2002
【雑誌名】 デーリィマン(DAIRYMAN)
【巻】 52−12
【頁】 74−75
【要約】 耕作農家からみた利用しやすい堆肥の条件とその製造上の留意点として、@悪臭がないことと取り扱い性がよいこと:取り扱い性では利用者は製品が軽いこと、しかし粉状では作業時の粉塵が好ましくなく、適度な粒度が必要である。最近出回り始めたペレットは散布作業がしやすく、輸送・貯蔵に体積の点で有利である。さらにペレット化によって肥効の調節が可能になるので将来性がある。A病原菌・寄生虫卵・雑草種子などが死滅していること:発酵中の温度が60〜70℃になり、切り返しなどの管理が適切に実施されていること。B生育阻害物質を含まないこと:生育阻害物質とは、フェノールカルボン酸やVFA等作物の生育に阻害的な物質のことである。これらは新鮮な牛ふんの中には少ないが、牛ふんが放置され嫌気的条件になると多量に生産される。またオガクズやワラなど通常の副資材中にも含まれているので、発酵中の通気管理を適切にしてこれらの分解をよくしておくこと。一般には適切な発酵管理で3〜6ヶ月を要する。C塩類濃度が高くないこと:牛ふんにはカリやナトリウムなどの塩類が多く含まれている。堆肥化の際にオガクズやワラ等の副資材を混合すれば、それらによって希釈されるので、塩類濃度はそれほど高くならない。しかし、最近では戻し堆肥方式が多く用いられるようになり、これらの堆肥では塩類濃度が高くなる傾向がある。家畜ふん堆肥の推奨基準では、EC(電気伝導率)が5mS/cm以下とされている。現在流通している堆肥について筆者らの測定値をみると、牛ふん堆肥のECは鶏ふん・豚ふん堆肥よりは低いが、それでも半数近くが基準値以上の高い値を示している。作物生産にとって土壌のECは重要であり、園芸作物では0.8〜1.0mS/cm程度が最適とされている。従って、良質堆肥製造には、従来の副資材を用いた堆肥化が望ましく、戻し堆肥を用いる場合でも、できるだけ他の副資材を併用するのがよい。
【要約者】 渡邉昭三

[ 2005/03/15 掲載 ]


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