【表題】 拡大する下水汚泥の有効利用:活発化する臭気対策 臭気対策行政の新たな動向

【著者名】 上河原献二
【所属】 環境省環境管理局
【発行年】 2003
【雑誌名】 地球環境
【巻】 34−7
【頁】 96−99
【要約】 悪臭に関する苦情は近年再び増加の傾向にあり、その内容も変化している。環境省では、近年増加の傾向にある都市生活型の悪臭問題に対応すべく、臭気指数規制の導入を促進している。悪臭に関する苦情の動向では、2001年度に地方公共団体に寄せられた件数は2万3776件で、70年度調査開始以来最高であった。上位は愛知県、東京都、埼玉県、福岡県、神奈川県であった。発生源別に見ると野外焼却38.2%、飲食店、自動車修理工場等のサービス業その他が、14.7%、個人住宅・アパート等10.7%であった。臭気指数規制導入の推進では、悪臭防止法では物質濃度規制と臭気指数規制のいづれかを、地域ごとに都道府県知事が選択することになっている。「物質濃度規制」とは、政令で定める特定悪臭物質(現在22物質指定)の大気中の濃度を規制する方法で、その濃度測定はガスクロマトグラフ等の機器により測定される。「濃度指数規制」とは、ヒトの嗅覚でその臭気を感知することができなくなるまで気体を希釈した場合における、その希釈倍数を基礎として算定される「臭気指数」による規制である。臭気指数は、我が国の場合「3点比較式臭袋法」による嗅覚測定法を行っている。物質濃度規制は、特定悪臭物質を指定して行っているが、すべての悪臭物質を指定することは困難であり、また複数の物質が混合した複合臭への対応が難しい。一方嗅覚測定法による臭気指数の場合は、@多種多様な物質に対応が可能である、A複合臭にも対応が可能である、B住民の悪臭に対する被害感覚と一致し易いという利点が有る。そして他の先進国でも、嗅覚測定法が悪臭測定の主流となっている。最近の都市生活型の悪臭苦情の増加傾向に対応するために、環境省では地方ブロック別に説明会や「臭気指数ガイドライン」を作成配布して、臭気指数規制導入を推進している。また、2002年に社団法人臭気対策研究協会(当時、現在はにおい・かおり環境協会)に委託して「臭気測定法の精度管理マニュアル」とパネリストの安全を確保するために「嗅覚測定法における安全管理マニュアル」を策定している。近年中小規模の事業所であるサービス業等についての悪臭苦情が増加している状況から、これらのユーザーが低コスト、省スペース、かつメンテナンスの容易な脱臭装置を導入できるように、2002年より各メーカーから脱臭技術を公募し、学識経験者からなる脱臭技術適正評価検討会による統一的な基準で技術情報の整理と評価を行い、その情報を広く公開することにした。においとかおりの測定法に関する国際化では、米国、欧州、オーストラリアの関係機関と連絡をとっており、国際ワークショップが2003年6月23、24日大分県別府市で開かれた。
【要約者】 渡邉昭三

[ 2005/03/15 掲載 ]


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