【表題】 リン除去プロセスにおける酸発酵槽設置効果の数学モデルによる検討

【著者名】 和田真澄;小針昌則;伊東崇
【所属】 (株)西原環境テクノロジー;日揮(株)
【発行年】 2003
【雑誌名】 用水と廃水
【巻】 45−8
【頁】 757−762
【要約】 公共事業が仕様発注から性能発注へ転換され、メーカーの説明責任を求められる時代が近づいている。水処理プロセス全体を定量的に議論し、合理的な設計、運転管理方策を提案する準備のために数学モデルを構築して検討を行った。生物学的栄養塩除去プロセスにおいて、生物反応槽に流入する有機酸や分解速度の速い有機物の存在が、栄養塩除去性能を左右することが知られている。特に合流式下水道では、降雨時に流入下水中の有機酸の濃度が低下した場合にリン除去性能が低下することが知られている。栄養塩除去性能の向上ならびに安定化を図るために有機物添加が行われており、この有機物を下水処理場内で確保する一つの対策として、最初沈殿池汚泥を酸発酵する方法が提案されている。最初沈殿池汚泥酸発酵槽を組み込んだ栄養塩除去プロセスについて、その設計や運転管理方策の検討方法の一つに、数学モデルを用いたシミュレーションが挙げられる。特に降雨時のような非定常状態に対する検討には数学モデルが有効である。そこで、最初沈殿池汚泥酸発酵層の設置効果について、酸発酵プロセス−栄養塩除去プロセス統合数学モデルを用いて検討した。嫌気−好気活性汚泥法において検討したところ、処理水リンの濃度は酸発酵汚泥投入量が増加するに従って低下し、処理水窒素濃度は投入量の影響が見られずほぼ一定となった。このリン除去性能の向上は、酸発酵汚泥の投入によりリン蓄積細菌のポピュレーションが増加し、余剰汚泥として引き抜かれるポリリン酸の量が増加することによることを示した。また、本統合モデルの非定常解析により、降雨時のリン除去性能の低下を再現し、かつ、酸発酵槽設置によりリン除去性能の安定性が向上することが示された。統合モデルの構築の方法、統合システムの運転条件が詳細に記述されている。
【要約者】 渡邉昭三

[ 2005/03/15 掲載 ]


[ 新規掲載リスト ] のページ に戻る