【表題】 UASB発酵法による乳牛糞尿搾汁液の処理効果

【著者名】 梅津一孝;大山卓英;岸本正;高橋潤一;松本奈美;濱本修
【所属】 帯広畜産大学畜産学科;三井造船(株)
【発行年】 2004
【雑誌名】 農業施設
【巻】 35−1
【頁】 1−8
【要約】 UASB発酵法とは、反応器内に接触材、充填材、流動粒子などの生物膜付着担体を用いないで、汚泥生物自身の持つ凝集、集塊機能を利用して沈降性の優れたグラニュール増殖集塊を形成させて高濃度の生物量を反応器内に保持しようとする、一種の自己固定化方式のメタン発酵バイオリアクターである。本報は、UASB発酵法による乳牛糞尿搾汁液処理の有効性について、グラニュール量、投入水温度とCOD負荷さらにCOD除去率の関係を明らかにすることを目的とする。【実験装置】UASB発酵槽は、内径65mm、有効高さ700mm、有効容積2000mLのアクリルライトの円柱容器を使用した。投入水を加温するために35℃に設定した恒温水槽にチューブを通し加温してから発酵槽内に注入した。以上の発酵槽を2基用い、A発酵槽(グラニュール500mL、高さ280mm)とB発酵槽(グラニュール250mL、高さ140mm)とした。ローラーポンプにより供給される供試投入水の滞留時間を48時間とし、投入水のCOD濃度を調整し、COD負荷を段階的に上昇させた。使用グラニュールはビート廃液嫌気発酵処理プラントから採取し、グラニュールの固形分濃度は10.37%であった。投入排水は一般的酪農家から排出された乳牛糞尿を固液分離した搾汁液とパーラー排水等の混合液を想定し、乳牛糞1kgに対し1.3倍の水道水を加えて希釈し、攪拌したスラリーを金網と布で濾過したものを用いた。投入COD負荷量は1.35〜2.62g/L/日で段階的に増加した。【結果のまとめ】@投入COD負荷とメタンガス生成ならびにCOD除去率の関係:投入COD負荷の上昇に伴い、バイオガス生成量は上昇し、投入COD負荷とバイオガス生成量は直線的関係にあることが明らかになった。分解COD当たりのメタンガス生成量は0.048〜0.205L/gCOD/日であった。COD除去率はA発酵槽、B発酵槽ともに5日目に最高値95%、94%を示し、投入COD負荷を1.35g/L/日と設定した1〜12日に最も高い値で推移した。その後COD除去率は投入COD負荷量を上昇させるに従い、徐々に減少した。またこれらの関係をOleszkiewicz(1981)のモデルとSanchez(1994)のモデルを用いて検討した。A投入グラニュール量依存性:グラニュール量を500mLとしたA発酵槽は250mLとしたB発酵槽に比べ、常に高い性能を示した。このことによりUASB発酵法におけるグラニュール量依存性が明らかになった。
【要約者】 渡邉昭三

[ 2004/11/30 掲載 ]


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