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低温遭遇時間のメッシュ推定法


[要約]
AMeDASの最高、最低気温をメッシュ化し、5℃以下の低温遭遇時間を メッシュ毎に計算するシステムを開発した。
福島県農業試験場 種芸部
[連絡先] 0249-32-3020
[部会名] 生産環境(農業気象)
[専門]  農業気象
[対象]  果菜類
[分類]  普及

[背景・ねらい]
野菜の半促成栽培では、作物をある温度以下の低温に一定時間以上遭遇させた後、 保温をして、生育を促進させる必要がある。たとえば、イチゴ半促成栽培の 保温開始時期は、5℃以下の低温遭遇時間200時間の到達日である。 しかし、実際の産地では、気象観測設備がない地域も多く、未観測地点の 低温遭遇時間を推定する必要がある。このため、AMeDASの気温をメッシュ化し、 地域別の低温遭遇時間を求めるシステムを開発する。

[成果の内容・特徴]
  1. 本システムは、メッシュごとの最高、最低気温を近くのAMeDASの最高気温と最低気温から 求め、これをもとに清野の方法で毎日の5℃以下の時間を計算することができる。
  2. 本システムは、未観測地点の低温遭遇時間を求めることができ、推定精度が高い。
  3. 本システムによって、低温遭遇時間の地帯区分が可能となり、気象条件にあった 産地形成が可能となる。
  4. 本システムの計算結果は、パソコン通信等で情報提供が可能である。
図1 データ処理のフローチャート
図2 メッシュ最高・最低気温から清野法を用いて 推定した5℃以下低温遭遇時間200時間到達日の推定精度(郡山市)

[成果の活用面・留意点]
  1. 福島県内のイチゴ半促成栽培の産地
  2. 盆地や地形の複雑な地域では、気温メッシュ化の推定精度が劣るので、 誤差が大きい。

[その他]
研究課題名:地域特性を活用した県産イチゴ周年生産技術体系の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成4年度(平成2〜4年)
発表論文等:なし