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ラジオコントロールヘリコプタの防除作業


[要約]
ラジオコントロールヘリコプタによる水稲の防除作業の能率は、粒剤・液剤散布とも 1時間当たり約4haである。 また、機体の導入利用計画を策定する場合の実作業率は、約60%である。
福島県農業試験場 種芸部 農機具研究室
[連絡先] 0249-32-3020
[部会名] 作業技術 水田農業
[専門]  作業
[対象]  農業機械
[分類]  指導

[背景・ねらい]
ラジオコントロールヘリコプタ(以下無人ヘリ)による防除は、有人ヘリの補完作業として、 作業面積が増加の傾向にある。しかし、無人ヘリの導入計画を策定するために 必要な、実作業率の報告例は少ない。そこで、10〜30aの基盤整備地区を対象として、 無人ヘリによる防除作業の作業能率、作業精度、実作業率を明らかにした。

[成果の内容・特徴]
  1. 無人ヘリによる防除は、オペレータ1名、補助者(薬剤補給、運搬、旋回誘導) 2〜3名の計3〜4名の組作業人員が必要である。
  2. 作業能率は、液剤・粒剤ともに約4ha/hである。
  3. 無人ヘリによる防除の実作業率は、粒剤・液剤とも60%前後である。
  4. 1日の作業負担面積は、作業時間を8時間とすると、約19haと試算される。
表1 供試機の主要諸元
表2 作業地域の条件と防除作業能率
図1 落下分散の調査地点
図2 薬剤落下分散状況

[成果の活用面・留意点]
  1. オペレータが旋回のタイミングを目視できる距離は100mが限度のため、 100mを越える作業行程の場合は、旋回を誘導する補助者が必要となる。
  2. 作業は、平均2〜3m/s以内で行う。また、圃場周囲の電線や障害物は、 作業前によく確認する。
  3. オペレータは、農林水産航空協会が定める技能認定を受けること。

[その他]
研究課題名:無人ヘリコプタによる精密防除技術の確立
予算区分 :地域水田農業技術確立試験
研究期間 :平成4年度(平4〜5年)
発表論文等:なし