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砂丘地におけるオウトウの施肥方法


[要約]
砂丘地に適したオウトウの施肥方法について検討した結果、10a当たりの窒素成分で7月 (礼肥)に8kgと9月下旬(基肥)に12kg合計20kgの施用が果実品質が良く樹体生育も良好で あった。
山形県砂丘地農業試験場 果樹担当
[連絡先] 0234-92-2140
[部会名] 果樹
[専門]  肥料
[対象]  オウトウ
[分類]  普及

[背景・ねらい]
おうとうは、高速交通体系の整備に伴い昭和60年頃から砂丘地にも新植され、栽培面積 は年々増加する傾向にある。しかし、砂丘地は地力および保肥力が低いため、現行の 施肥体系では樹の生育が弱く果実が小さいなどの問題がでてきた。そのため、砂丘地に 適した施肥法の検討が必要となり、平成2年から試験を行なった。

[成果の内容・特徴]
平成2年度から5年生の「佐藤錦」(オアバ台)を用い、樹勢を強くする目的で春に10a 当たり窒素成分で0, 5, 10, 20kg施用する区と、7月に10a当たり窒素成分で3, 8, 13kg 施用する区を設け検討した。
その結果、次のことが明らかとなった。
  1. 砂丘地では、10a当たり窒素成分で収穫後の7月(礼肥)に8kg程度と9月下旬(基肥)に12kg 程度の合計20kgが適当である。この施肥方法では、屈折計示度が高く、果実も大きく、 樹体生育も良好であった (表1, 表2)。
  2. 春の多施肥(10kg以上)では、収穫前(5月下旬から6月上旬)の土壌中の硝酸態窒素および 加里含量が多くなり、屈折計示度の低下や着色不良を招きやすい傾向が見られた (図1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 施肥前に樹相診断を行ない、適正樹相の維持に努める。
  2. 樹勢に応じて施肥量を加減する。その場合、夏4割秋6割程度の比率で実施する。
  3. 適用範囲は、砂丘地に限る。

[その他]
研究課題名:砂丘地のおけるオウトウの高品質安定生産技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成4年度(平成2〜4年)
研究担当者:佐藤康一、平澤秀弥
発表論文等:なし