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エチレンガス利用によるセイヨウナシ「ラ・フランス」の追熟法


[要約]
セイヨウナシ「ラ・フランス」の収穫後にエチレンガスを250ppmで24または48時間処理 することにより、追熟促進効果が図られる。
山形県立園芸試験場 果樹部
[連絡先] 0237-84-4125
[部会名] 果樹
[専門]  加工利用
[対象]  西洋ナシ
[分類]  研究

[背景・ねらい]
セイヨウナシの品種構成は、「ラ・フランス」に偏重しているため西洋ナシの出荷時期 の一極化がみられる。また、「ラ・フランス」は、追熟に予冷を必要とするため生産量 の増加とともに予冷施設の不足が予想される。
このため、エチレンガスを利用することにより、出荷時期の前進と予冷の代用を図る必要 がある。

[成果の内容・特徴]
エチレンガスを収穫後直ちに、250ppmで24または48時間処理し、無予冷で追熟させること により以下の効果が期待できる。
  1. 追熟期間が10日前後短縮できる。
  2. 予冷の効果と同様に、追熟後の熟度の揃いが良くなる。
  3. 追熟完了後の果実の日持ち性は、予冷後追熟させた果実と同程度である。
図1 果肉硬度の推移
表1 追熟完了後の果実品質
表2 追熟完了後の果実官能調査

[成果の活用面・留意点]
  1. 今後は、更に試験規模を拡大し、実用化への検討を進める。

[その他]
研究課題名:西洋ナシの早期成園化と収穫後管理技術の確立
予算区分 :県単
研究担当者:高橋和博・駒林和夫・奥山仁六
発表論文等:なし