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ニホンナシ「幸水」の剪定指標と基準化


[要約]
結果部割合、側枝密度、予備枝割合を「幸水」の剪定指標とすることにより剪定技術の 基準化が図られ、生育の樹体間差が少なくなる。また異なる園地、地域の剪定に起因する 生育差の比較を効率的に行うことができる。
福島県果樹試験場・栽培部
[連絡先] 0245-42-4191
[部会名] 果樹
[専門]  栽培
[対象]  日本ナシ
[分類]  普及

[背景・ねらい]
「幸水」は収量、花芽着生、果実肥大の確保が不安定で、剪定技術により格差のでやすい 品種である。そこで棚仕立て4本主枝(植栽距離8x8m)を用いて、剪定と'幸水'の生育及び 生産性との関連性を3ヶ年にわたって検討し、剪定指標を策定した。

[成果の内容・特徴]
  1. 剪定指標の定義
      結果部: 亜主枝分岐部から最先端側枝までの亜主枝部
      結果部割合: (結果部の長さ/亜主枝先端部までの長さ)x100
      側枝密度: 結果部長さ/(側枝本数-1)
      予備枝割合: (結果部の予備枝本数/側枝本数)x100
  2. 剪定指標が生育に及ぼす影響
      結果部割合: 裂果の発生、亜主枝の勢力、収量
      側枝密度: 側枝の勢力、裂果の発生、収量
      予備枝割合: 腋花芽着生、果実肥大、裂果の発生
  3. 剪定指標の基準値
      亜主枝の長さ: 第1亜主枝 300〜350cm 第2亜主枝 250〜300cm
      結果部割合: 80%以上 側枝密度: 30〜35cm
      予備枝割合: 第1亜主枝 40〜60% 第2亜主枝 60〜80%
  4. 剪定手順

[成果の活用面・留意点]
亜主枝形成前の若木は第1亜主枝に準じる。

[その他]
研究課題名:幸水の安定生産管理技術確立に関する試験
予算区分 :県単
研究期間 :平成2年〜平成10年
研究担当者:佐藤 守
発表論文等:平成元年〜3年福島県果樹試験場業務報告