研究所トップ研究成果情報平成4年度

夏どりネギの育苗法と適品種


[要約]
夏どりネギの育苗は、前年9月露地播種及び10月ハウス内播種の越冬苗、または、2月 ハウス内播種の1年苗で、7月〜8月に良品の収穫が可能となり、品種は「吉蔵」、 「長宝」、「明彦」が適し安定生産ができる。
秋田県農業試験場 園芸畑作部 野菜担当
[連絡先] 0188-39-2121
[部会名] 野菜・花き
[専門]  栽培
[対象]  葉茎菜類
[分類]  普及

[背景・ねらい]
秋田県のネギの生産は約7割が秋冬どりであり、面積拡大及び生産の向上を図るための 周年生産技術の確立が求められている。そこで、品薄期である夏どり作型の確立のため、 育苗方法と適品種を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 7月どりネギ(4月下旬定植)の育苗は、前年の9月上旬露地播種の露地越冬育苗または、 前年10月中旬ハウス内播種のハウス越冬育苗が適し、7月中旬〜下旬に3〜4t/10aの 収量が得られる (表12)。
  2. 8月どりネギ(5月上旬定植)の育苗は、2月中旬ハウス播種のハウス育苗が適し、8月中旬 に3〜4t/10aの収量が得られる(表3)。
  3. 品種は、供試21品種の中で、生育、収量、品質が安定している「吉蔵」、「長宝」、 「明彦」が適する(表123)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 価格の高い7〜8月出荷が可能となり収益の向上が期待される。
  2. 後作秋冬野菜との組み合わせによる年2作どり体系が可能となる。
  3. 露地越冬苗は降雪前に不織布またはモミガラなどで覆う。
  4. 越冬苗の抽だいした花茎頂部は早めに摘除する。
  5. 1年苗はビニールトンネル、不織布べたがけ等で発芽及び生育の促進を図る。

[その他]
研究課題名:ネギ類の大型作目化技術に関する試験
予算区分 :県単
研究期間 :平成4年度(平成3〜8年)
研究担当者:加賀屋博行、吉川朝美、藤本順治
発表論文等:東北農業研究第46号、1993。