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キーダイヤグラムによる福島県の農業用水の分類


[要約]
福島県の農業用水をキーダイヤグラムを用いて分類した結果、4つの型に分類 された。また、農業用水のイオン組成は水路及び水源の立地条件を反映していた。 このため、農業用水のイオン組成を踏まえた施肥及び耕地管理が必要である。
福島県農業試験場・農芸化学部
[連絡先] 024-932-7787
[部会名] 生産環境
[専門]  環境保全
[対象]  
[分類]  研究

[背景・ねらい]
近年、環境への関心が高まり、農業においても環境保全の観点から施肥及び耕地の 利用法について見直しがなされている。このため、農業用水についても自然環境 及び地域特性を踏まえていく必要がある。そこで、農業用水の有効利用を図る基礎 資料としてキーダイヤグラムを用い福島県の農業用水の分類を行った。

[成果の内容・特徴]
  1. 福島県内113カ所の農業用水のK、Na、Ca、Mg、Cl、SO4、 NO3イオン濃度を測定し、陰イオン:陽イオン=1:1としてHCO 3イオンを算出した。これをもとにキーダイヤグラムを用い福島県の 農業用水を地域別に分類するとアルカリ炭酸塩型(III)を除く4つの型に分類 される(図1)。
  2. アルカリ土類非炭酸塩型(I)は、阿武隈及び浜通り地域にはみられず、水源もしくは 取水河川が吾妻山や磐梯山などの火山周辺に立地する水路が属する(図2)。
  3. アルカリ土類炭酸塩型(II)は、地質年代の古い阿武隈及び浜通り地域や南会津地域に 立地する水路が多く属する(図2)。
  4. アルカリ非炭酸塩型(IV)は、会津及び中通り地域にそれぞれ1水路ずつ みられる(図2)。
  5. 中間型(V)は、会津及び中通り地域に多くみられる。また、各地域の人口集中地に 立地する水路の多くがこの型に属する(図12)。
  6. 農業用水の有効利用を図るためにも農業用水のイオン組成を踏まえた施肥及び 耕地管理が必要である。

[成果の活用面・留意点]
水の有効利用を図ると共に自然環境及び地域特性を踏まえた施肥及び耕地管理を 促す基礎資料として活用する。

[その他]
研究課題名:農業用排水水質調査
予算区分 :県農地計画課 委託
研究期間 :平成11年度(平成8〜12年度)
発表論文等:福島県内における農業用水の水質実態、土肥講要、46、p275、2000