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岩手県における小麦新品種「ネバリゴシ」の目標生育量と栽培法


[要約]

 倒伏を避け、安定多収を確保するための穂数は平均で530本/m2であり、このときの子実収量は平均で540kg/10aである。播種量は6kg/10aを基本として適期に播種し、窒素追肥を融雪期に2kg/10a、減数分裂期から出穂期にかけて2kg/10a施用することで適正な粉蛋白含量が確保できる。

[キーワード]

小麦、ネバリゴシ、目標生育量、播種量、窒素追肥、粉蛋白含量

[担当]岩手農研・園芸畑作部・野菜畑作研究室
[連絡先]0197-68-4418
[区分]東北農業・畑作物
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

 小麦新品種「ネバリゴシ」は平成13年2月に岩手県の奨励品種に編入され、平成13年産から一般栽培が開始されている。「ネバリゴシ」は、低アミロース含量で製めん適性が高く、食感の粘弾性、なめらかさが優れ、食味にも優れる。そこで、めん用新品種として計画的な定着・普及を図るため、「ネバリゴシ」の目標生育量及び栽培法を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

1.

成熟期の目標生育量及び粉蛋白含量(図1図2図3図6

2.

播種期は慣行どおりの標準播とし、播種量は6kg/10aを基本とするが、出芽の不安定な場所では8kg/10aを上限として播種量を増やす(図4図5図6)。

3.

適正な粉蛋白含量を確保するため、窒素追肥は融雪期に2kg/10a、減数分裂期から出穂期にかけて2kg/10aを成分で施用する(図6)。

[成果の活用面・留意点]

1.

基肥窒素施用量は、主力品種の「ナンブコムギ」と同量の4〜6kg/10aとする。

2.

うどんこ病抵抗性は「やや弱」であるので、極端な厚播きや多肥は避け、基本防除を徹底する。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名:

低アミロース小麦系統「東北206号」の高品質安定多収栽培技術

予算区分:

国庫(麦緊急開発、21世紀プロ)

研究期間:

1999〜2001年度

研究担当者:

荻内謙吾、高橋昭喜


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