山形県におけるだいず優良品種「リュウホウ」の品種特性
|
|
[要約] |
「リュウホウ」は、粒の大きさは中粒の大で、「スズユタカ」と比べ開花期、成熟期が早い早生の晩で、耐倒伏性に優れ、最下着莢位置が高、裂莢性がやや難であることから、コンバイン収穫に適性がある品種である。ただし、ダイズモザイク病に強くないため、媒体昆虫であるアブラムシ防除の徹底が必要である。 |
[キーワード] |
だいず、リュウホウ |
[担当]山形農試・水田営農研究部
[連絡先]023-647-3500
[区分]東北農業・畑作物
[分類]技術・普及
|
|
[背景・ねらい] |
大豆の本格的生産により、本県の大豆作付け面積は飛躍的に拡大しているが、コンバイン収穫における負担面積も増加している。作業体系上、一品種では刈り取り時期が集中し無理が生じるため、現在の品種より早生で機械適性の高い品種が望まれている。 |
[成果の内容・特徴] |
1.
|
選定経緯
「リュウホウ」は東北農業研究センター刈和野試験地において、1983年にダイズモザイクウイルス及びダイズシストセンチュウに抵抗性で、大粒・良質・多収性を目標として「スズユタカ」を母に、「刈343F7」を父として人工交配を行なったものである。
本県では、1991年にダイズモザイクウイルス病抵抗性検定試験を実施し、2000年から大豆奨励品種決定調査に供試した。
|
2.
|
形態的特性
主茎長、主茎節数は「スズユタカ」と同様の中で、分枝数は少なく中である。伸育型は有限伸育型で、粒の大きさは中の大粒、粒形は楕円体である。裂皮性は中で、しわ粒の発生がやや多くみられる。
|
3.
|
生態的特性
開花期及び成熟期は「スズユタカ」より早く「トモユタカ」並の早生の晩で、生態型は中間型である。裂莢の難易は中に分類されるが「スズユタカ」よりはやや難で、倒伏抵抗性は「スズユタカ」より高い。シストセンチュウ抵抗性は強で、紫斑病及び立枯病抵抗性は中である。また、ダイズモザイクウイルス病の抵抗性は中であり、A・B系統に抵抗性があるが、山形県で発生がみられるC・D系統には抵抗性を持たない。
|
4.
|
機械化適性
耐倒伏性に優れ、最下着莢位置が高いこと、また裂莢性がやや難であることから、コンバイン収穫に適性がある品種である。
|
5.
|
加工適性
粒径が大きく、豆腐、煮豆の加工適性に適する。
|
|
[成果の活用面・留意点] |
1.
|
栽培適地は、中晩生品種との組み合わせにより、収穫期間との乾燥調製施設利用の拡大が図られ、優良種子供給体制及び生産・販売体制の確立が見込まれる庄内地域を主体とする。
|
2.
|
ダイズモザイク病に強くないため、防除基準に基づき伝染媒体であるアブラムシの防除を徹底するとともに、採種ほ産の優良種子を用いる。
|
3.
|
栽培地周辺に病原ウイルスの寄生作物(クローバー等)を栽培しない。
|
|
[具体的データ] |
|
|
|
|
|
[その他] |
研究課題名: |
大豆奨励品種決定調査
|
予算区分: |
県単
|
研究期間: |
2001年
|
研究担当者: |
鈴木雅光、相澤直樹
|
|
|
成果情報に戻る/部会別Indexに戻る |