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イチゴより採集したナミハダニの薬剤感受性


[要約]

 イチゴより採集したナミハダニ個体群の薬剤感受性は、アクリナトリン、テブフェンピラド、ヘキシチアゾクスでは低く、ビフェナゼート、ミルベメクチンでは高い。クロルフェナピル、ケルセン、酸化フェンブタスズ、エトキサゾールでは、個体群によって感受性が異なる。

[キーワード]

イチゴ、ナミハダニ、薬剤感受性

[担当]福島農試・病理昆虫部・虫害研究室
[連絡先]024-932-7789
[区分]東北農業・生産環境(病害虫)
[分類]技術・参考


[背景・ねらい]

 イチゴにおいてナミハダニは、栽培期間を通じて発生し栽培阻害要因として最も重要な害虫である。果樹などでは、本種の種々薬剤に対する感受性低下が報告されている。イチゴにおいても薬剤による防除効果が十分でない場合があり、薬剤感受性が低下していることが懸念される。そこで、イチゴに発生するナミハダニの主要薬剤に対する感受性を調査し、有効な薬剤を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

1.

ナミハダニ雌成虫(表1
 ビフェナゼート水和剤(1000倍)、ミルベメクチン水和剤(2000倍)に対しては、感受性が高い。
 クロルフェナピル水和剤(2000倍)、ケルセン乳剤(1500倍)、酸化フェンブタスズ水和剤(1000倍)に対しては、個体群によって感受性が大きく異なる。
 アクリナトリン水和剤(1000倍)、テブフェンピラド乳剤(2000倍)に対しては、感受性が低い。

2.

ナミハダニ卵(表2
 エトキサゾール水和剤(2000倍)に対しては、個体群によって感受性が異なる。
 テブフェンピラド乳剤(2000倍)、ヘキシチアゾクス水和剤(2000倍)に対しては、感受性が低い。

[成果の活用面・留意点]

1.

個体群によって有効薬剤が異なるので、薬剤の選択には注意を要する。

2.

使用基準を遵守し同一薬剤を連用しない。

3.

天敵を用いた生物的防除など薬剤防除以外の防除手段を積極的に導入する。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名:

東北南部中山間畑作地帯におけるブロッコリー、イチゴの環境保全型栽培技術の開発

予算区分:

国庫補助・地域基幹

研究期間:

1998〜2002年度

研究担当者:

中村淳、高倉慎

発表論文等:

中根・高倉(2001)北日本病虫研報(52):198-200


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