研究所トップ研究成果情報平成13年度

水稲湛水直播におけるノビエとイヌホタルイの葉齢モデル


[要約]

 水稲湛水直播栽培における播種後落水管理を想定した、ノビエ最高葉齢3.0葉、ホタルイ最高葉齢2.5葉期までの葉齢モデルを作成した。初・中期一発処理剤の使用可能な、水稲平均葉齢1.5葉期に達したとき、ノビエの最高葉齢は2.5〜3.0葉、ホタルイの最高葉齢は、2.0〜2.5葉に達する。

[キーワード]

水稲、湛水直播、雑草防除、葉齢モデル、播種後落水管理

[担当]岩手県農業研究センター 農産部 水田作研究室
[連絡先]0197-68-4412
[区分]東北農業
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

 水稲湛水直播栽培における生育・収量の安定を図るため、播種後落水管理条件での、ノビエとイヌホタルイの葉齢進展モデルを作成し、効率的な雑草防除技術確立に資する。

[成果の内容・特徴]

1.

水稲湛水直播における、ノビエとイヌホタルイの葉齢進展
1)

植代日からの積算平均気温によるノビエ葉齢の推定
植代日から、ノビエの最高葉齢3.0葉期までの葉齢モデルを、積算平均気温を用いて作成した。(図1
      y      =   0.0129  ×  −1.059
(ノビエの最高葉齢) (植代日からの平均積算気温)
  n=35  r=0.949  標準誤差=0.347

2)

植代日からの積算平均気温によるイヌホタルイ葉齢の推定
同様に、イヌホタルイの最高葉齢2.5葉期までの葉齢モデルを作成した。(図2
      y      =   0.0101  ×  −1.059
(イヌホタルイの最高葉齢) (植代日からの平均積算気温)
  n=30  r=0.858  標準誤差=0.453

2.

湛水直播における水稲の葉齢とノビエ、イヌホタルイの葉齢との関係
播種後落水あるいは浅水管理を行った場合、水稲(供試品種はあきたこまち)の平均葉齢が、初・中期一発処理剤の使用可能な1.5葉期に達したとき、ノビエの最高葉齢は2.5〜3.0葉期に達する(図3)。また、同じ時期にイヌホタルイの葉齢は2.0〜2.5葉期に達する(図4)。

[成果の活用面・留意点]

1.

水稲湛水直播での除草体系及び薬剤の選定のための、雑草の発生初期の葉齢推定に活用できる。

2.

上記のモデルは、岩手県において、平成7〜8年、10年、12年〜13年に行った湛水直播栽培試験において、播種後測定したデータにより作成した。

3.

雑草の出芽はじめは年次や落水期間による変動が大きいので、今後、水温、地温、入水時期等の影響も考慮し精度を高める必要がある。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名:

点播栽培の生育安定化技術の確立

予算区分:

国庫

研究期間:

H11〜H14

研究担当者:

尾形茂、高橋政夫、長谷川義孝、臼井智彦


成果情報に戻る部会別Indexに戻る