研究所トップ研究成果情報平成13年度

高精度水田用除草機の作業能率と除草効果


[要約]

 高精度水田用除草機は、ほ場作業量25a/hの乗用型株間除草機である。移植後10日から10日間隔の3回除草で、雑草風乾重量を無除草対比条間では約10%、株間では約40%に抑えることが可能である。

[キーワード]

水田用除草機、乗用型、株間除草機

[担当]山形県立農業試験場総合研究部、山形県立農業試験場生産環境研究部
[連絡先]023-647-3500
[区分]東北農業・水稲
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

 水稲の無農薬栽培に求められている技術のひとつは効率的な雑草防除であり、特に株間雑草の防除と投下労力を軽減することが大きな課題となっている。ここでは高精度水田用除草機を用いて効率的に雑草発生を抑制する技術を策定する。

[成果の内容・特徴]

1.

高精度水田用除草機は株間および条間を除草する構造となっており、その除草作業は6条作業の場合、ほ場作業量25a/hで能率的に作業が出来る。

2.

1回目の除草作業によって稲の傾きや、踏みつぶしが発生することがあるため、速度を落として作業する。

3.

除草作業は移植後10日目に開始し、その後10日間隔で計3回処理することにより雑草防除が可能である。この場合7月上旬の雑草風乾重量は無除草対比で条間が約10%、株間は約40%に抑えられる。

4.

マツバイに対する防除効果はやや劣る。

5.

収量は除草剤使用の約90%が期待できる。

[成果の活用面・留意点]

1.

枕地では旋回した時に踏み潰される株が発生することにより、収量は減少する。このためこれを吸収できる大規模ほ場での利用や農道で旋回できるなどの条件が必要である。

2.

同じ経路を複数回走行するため、地体力の小さいほ場では轍の発生による機体の沈みに注意し、耕深を浅めに設定するなどの配慮が必要である。

3.

代かきと移植の日数を出来るだけ短くする。

4.

車輪による土の持ち上げを減らすため、作業時には水を落とさない。

5.

斉一な条間で移植することや直進走行運転時には株踏み潰しが無いように注意が必要である。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名:

水稲の有機栽培技術体系の開発

予算区分:

県単

研究期間:

2000〜2001年度

研究担当者:

後藤克典、大場伸一

発表論文等: なし

成果情報に戻る部会別Indexに戻る