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[背景・ねらい] |
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山菜等の地域特産物の中には、民間伝承による薬効や健康増進作用を有するとされるものが数多く存在する。しかし、その作用について科学的に解明されていないものも多く、食用としてなじみの薄いものもある。そこで、ウドの機能性を評価してその成分を解明し、機能性成分含量を高める栽培技術を確立することにより高付加価値化と普及を図る。 |
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[成果の内容・特徴] |
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1. |
ウドの抽出物は高い抗酸化性とラジカル消去活性を示し、半緑化栽培の場合には、軟白茎よりも緑葉の方がこれらの機能が高い(図1)。 |
2. |
抗酸化性を示す主たる成分はクロロゲン酸で、その含量と抗酸化性、ラジカル消去活性は高い相関を示す(図2)。また、ウドには、フラボノイドとしてケルセチン、ケンフェロールが含まれている。半緑化栽培ウドにおけるそれらの部位別含量をみると、緑葉で最も多く、緑化茎、軟白茎の順である(図3)。 |
3. |
露地における緑化栽培と軟白軟化栽培の茎を比較すると、緑化栽培では有意にクロロゲン酸含量が増加する。アスコルビン酸含量も絶対量は少ないが同様に増加する(表1)。 |
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[成果の活用面・留意点] |
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1. |
緑化ウド、ウドの葉を差別化商品とするためのサポートデータとなる。 |
2. |
ウドの抗酸化成分が人体に及ぼす影響については、動物実験によるデータが必要である。 |
3. |
ウドに含まれるクロロゲン酸の調理(天ぷら)による損失は少ない。 |
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