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スプレータイプの小ぎく品種「CM6」の育成とその特性


[要約]

 スプレータイプの小ぎく「CM6」は、小ぎくとスプレーギクを交雑して作出した品種であり、側枝や孫芽が少ないスプレー咲きの品種である。9月中旬に開花するため彼岸前期の出荷が可能で、花色は花弁上部が桃色、下部が白色である。

[キーワード]

小ぎく、スプレータイプ、「CM6」

[担当]岩手県農業研究センター・園芸畑作部・花き研究室
[連絡先]0197-68-4419
[区分]東北農業・野菜花き(花き)
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

 岩手県の小ぎくは北上市、東磐井郡を中心に県下全域で栽培されており、平成12年度には生産額が約3.5億円、作付け面積は56haと主要な品目の1つとなっている。現在、栽培に用いられている種苗会社の品種は関東以西の気象下で選抜、育成されたものであるため、岩手県の気象に適さない品種もある。
 また、小ぎくに対する消費者の嗜好動向は変化しており、側枝や孫芽の少ない、スプレー咲きの小ぎく品種の人気が高い。
 そこで、新品種の育成にあたっては、側枝や孫芽の少ないスプレータイプであること、花色が良いことを目標とし、本県の立地条件に適合したオリジナル品種を選抜、育成した。

[成果の内容・特徴]

1.

平成8年度、9月咲きの桃色スプレーギク「ニコル」に白色で9月咲きの小ぎく「白鳩」を交雑し、得られた実生株から選抜、育成したものである。

2.

花弁は一重で、花弁の表面上部の色は淡紫ピンク(カラーチャートNo.9502)で下部は白(No.01)、裏面上部は濃紫ピンク(No.9213)で下部は白(No.01)、芯は緑色である(表1)。

3.

葉色は淡緑色であり、葉の光沢は少ない(表1)。

4.

上位10節以内の2次側蕾の出現率は34%である(表1)。

5.

管状花部の直径は11.6mm、花の直径は41.6mmである(表1)。

6.

花房形は段咲きである(表1)。

7.

白さび病の発生度は中程度である(表1)。

8.

親株1回摘芯による1かき芽当たり挿し穂数は5.8本である(表1)。

9.

開花期は9月中旬、草丈は90〜100cm程度である(表2)。

[成果の活用面・留意点]

1.

適応地帯は岩手県下全域である。

2.

定植期は5月下旬。露地栽培。

3.

気象条件やマルチの有無、施肥量等の栽培条件によっては開花期が前後する。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名:

ニュータイプ小ぎくの品種育成

予算区分:

県単

研究期間:

1989〜2003年度

研究担当者:

波辺愛美、児玉勝雄、高橋寿一、内藤善美、佐々木由紀子

発表論文等:

平成14年3月品種登録出願。


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