研究所トップ研究成果情報平成13年度

ラークスパーの抑制作型における短日処理の効果


[要約]

 ラークスパーのサンシャインライラックでは7月中旬以降定植の作型において、育苗期および定植後30日間の短日処理により、切花長、切花重の増加が見られ、2L品率が向上する。また、開花遅延効果についてみると、定植時期の違いにより差があるが、短日処理により約10日〜20日間、開花を遅延させることができる。

[キーワード]

[担当]岩手農研セ・園芸畑作部・南部園芸研究室
[連絡先]0192-55-3733
[区分]東北農業・野菜花き(花き)
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

 ラークスパーの抑制作型においては、生育期が高温期を経過するために、良品生産が難しく、また、開花期も前進化する傾向にある。そこで、沿岸地域の夏期冷涼な気象条件を活かしながら短日処理による高品質生産技術を確立し、出荷期間の拡大を図ろうとした。

[成果の内容・特徴]

1.

7月中旬以降に定植する作型では、育苗期および定植後に9時間日長で30日間短日処理をすること(育苗期は夜温15度管理)で切花長、切花重等が増加する。(表1

2.

7月中旬以降に定植する作型では、育苗期および定植後に30日間短日処理をすることで2L品の割合が増加し、遅い作型ほど、その割合が増加する。(表2)

3.

短日処理により、約10日以上開花を遅延させることができ、定植時期が遅くなるほど、開花遅延効果は大きくなる。(表3)

[成果の活用面・留意点]

1.

この試験における供試品種は、サンシャインライラックである。

2.

8月以降定植の作型では、採花終期に、夜間約10度で補助暖房しなければ、開花が遅れたり、不開花となる場合がある。

3.

栽培期間中、立枯病等が発生する場合が多いので、過湿圃場での栽培を避けたり、高畦対策を施すなどの耕種的防除を心がける。

4.

育苗期間中は高温期にあたるので、適温での管理に努め、生育の揃った充実した苗を用いる。

5.

7月上旬定植の作型では短日処理の効果はみられない。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名:

施設の高度利用技術による花き周年生産化技術
ラークスパーの抑制作型における良品生産技術の確立

予算区分:

県単

研究期間:

2000〜2001年度

研究担当者:

佐藤成利

発表論文等:

なし


成果情報に戻る部会別Indexに戻る