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調理用トマトの定植時期を組合せた収穫期分散


[要約]

 調理用トマトのハウス雨よけ栽培では、定植時期が早いほど収穫期が集中し、遅くなると分散する。6月上旬までの定植の場合は約1t/aの商品果収量が見込めるが、定植時期が遅くなるほど減収となる傾向がある。一方、定植を4月上旬から6月上旬まで組合せることにより、収穫を7月中旬から9月中旬まで分散できる。

[キーワード]

調理用トマト、定植時期、収穫期、作業分散、ハウス雨よけ

[担当]山形園試・野菜花き研究部
[連絡先]0237-84-4125
[区分]東北農業・野菜花き(野菜)
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

 調理用トマトは収穫が短期間に集中するため、長期安定出荷が困難である点が問題となっている。そこで定植時期ごとの収量の経時的変化を調査し、異なる定植日の組合せによる収穫期の分散について検討する。

[成果の内容・特徴]

1.

調理用トマト‘にたきこま’の定植時期は、早いほど収穫期が集中するが、収量が高く、6月上旬までの定植で商品果収量は約1t/aある。定植時期が遅くなると、収穫期が分散するものの収量が低く、6月以降の定植では商品果収量は0.5t/aに満たない(図1表1)。

2.

1aを仮に分割し、4月上旬に0.12a、4月下旬に0.17a、5月上旬に0.22a、6月上旬に0.49aずつ組合せて定植した場合、収穫期は7月中旬から9月中旬まで分散する。しかし、商品果収量は、5月上旬定植の商品果収量より3割少なくなる。組合せ定植時の収穫最盛期の収量が5月上旬定植時と同等となるように栽培面積を増やした場合(2.2倍)、商品果収量が約5割増加する(図2表1)。

[成果の活用面・留意点]

1.

施肥量は圃場条件にあわせて決定する。

2.

4月中の定植は、紫マルチ等を使用し地温確保に努める。5月以降の定植では、白黒ダブルマルチ等を使用する。

3.

整枝法は、第1果房直下の側枝から放任とし、支柱とマイカー線を用い、適宜誘引を行う。

4.

着果を安定させるため、開花初期からホルモン処理を行う。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名:

基幹野菜産地パワーアップ技術の開発

予算区分:

県単

研究期間:

1999〜2001年

研究担当者:

吉野伸典、小野恵二

発表論文等:

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