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砂丘地におけるトマトの地床かん水同時施肥による高糖度化栽培


[要約]

 砂丘地において地床でハウス早熟栽培により高糖度トマトを生産することができる。かん水同時施肥により株当たり日かん水量250ml、施肥濃度ECl.7ds/m、台木アンカーT、ポット育苗で糖度7%以上が可能である。

[キーワード]

地床、高糖度トマト、かん水同時施肥

[担当]山形砂丘地農試・野菜花き畑作研究
[連絡先]0234-91-1250
[区分]東北農業・野菜花き(野菜)
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

 砂丘地においてハウス早熟栽培で高糖度のトマトを生産するためのかん水量、台木、育苗方法を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

1.

砂丘地において、かん水同時施肥技術を用いることにより、地床のハウス早熟栽培で高糖度トマト(糖度7%以上)を生産できる。

2.

養液はタイマー制御の自動システムで、日に3回以上に分けて施用する。また長い距離でも均一にかん水することができる点滴型チューブを使用し、かん水施用する。

3.

株当たりの日かん水量250ml、施肥濃度ECl.7ds/m(施肥窒素33mg/株/日)で糖度7%以上が可能となる(表1図2)。ただし、ハウス内のうねの位置により果実の大きさや糖度等が大きく影響されるので、日かん水量を変える必要がある。

4.

ハウス早熟栽培(3月20日〜7月25日)、「ハウス桃太郎」(台木「アンカーT」)の10.5cmポット育苗、4段密植(うね幅108cm、株間25cm、370株/a)、主枝1本仕立て、1果房4果以上着果で上物50g以上収量が約500g/a(平均1果重:140g以上)となる(図1表2)。

[成果の活用面・留意点]

1.

定植前のハウス内土壌は十分乾燥させておく。定植後の活着までのかん水に十分注意する。根域制御のため、一度に大量のかん水は行わない。

2.

ハウスサイドに外部からの水の浸入を防止する対策を行う。

3.

上段果房で裂果が発生しやすくなるので、栽培期間中の施肥濃度に注意する。

4.

尻腐れ果が発生しやすいので注意する。

5.

日焼け果対策を行う。

6.

抑制栽培では高温の影響により果実糖度が安定しにくい。

[具体的データ]

注)図表中の25は250ml/株/日かん水、50は500ml/株/日かん水、ミートはナス台木、アンカーはトマト台木のアンカーT、Sは72穴セル苗、Pは10.5cmポット苗

栽培概要 品種:ハウス桃太郎(台木:アンカーT)、
ポット 播種1月10日、台木1月9日  セル 播種1月28日、台木1月27日
接ぎ木2月9日、定植3月20日、主枝1本仕立て、4段摘心、うね幅108cm、株間25cm、370株/a、タイマー制御によるかん水同時施肥(3回/日かん水、大塚ハウス1号:2号=2:3)、点滴型チューブ使用、施肥量N2.4、P0.7、K2.3kg/a

[その他]
研究課題名:

メロン次期主力品種・新規特産品目の生産技術の開発

予算区分:

県単

研究期間:

1998〜2001年度

研究担当者:

菅原眞一

発表論文等: なし

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