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夏秋いちごの高設栽培における夏期冷水利用による増収効果


[要約]

 四季成り性品種を用いた高冷地における夏秋イチゴの高設栽培において、盛夏期に培地内に埋設した鉄パイプ内に冷水を通すことで培地の地温が低下し、盛夏期の花房数と開花数が増加し、増収する。

[キーワード]

高冷地、夏秋イチゴ、四季成り性、高設栽培、冷水、花房数、増収

[担当]福島農試・冷害試験地
[連絡先]0242-62-3606
[区分]東北農業・野菜花き(野菜)
[分類]技術・参考


[背景・ねらい]

 四季成りイチゴを用いた夏秋栽培において、盛夏期以降果実の着果が顕著に減少することがある。高冷地の特性を活かし、夏期冷水利用により、高設栽培における夏秋イチゴの増収技術を確立する。

[成果の内容・特徴]

1.

7月〜8月の盛夏期に高冷地の資源として豊富にある19℃前後のかんがい用水(冷水)を水中ポンプでくみ上げ、タイマー制御により培地中に埋設した鉄パイプ内に日中の6時〜18時に通水する(図1)。

2.

地中5cmの培地の平均地温で1.1〜1.8℃地温を低下させることができる。代表的な3種類の培地の中では、ピートモスとバーミキュライトの混合培地で地温低下の効果が高い(表1)。

3.

四季成り性品種「サマーベリー」に冷水処理を行うことで、処理期間中の花房の発生と開花数が無処理区に比較し増加し(図2)、商品果収量が10〜20%の増収する(図3)。

[成果の活用面・留意点]

1.

冷水処理により、夏秋イチゴ生産の適応地帯の拡大および秋期までの安定生産が可能となる。

2.

地下水(13℃前後)を使わなくても、19℃前後のかんがい用水を利用することで、導入できる。

3.

夏期の気温が高いほど効果は高い。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名:

夏秋イチゴの高設栽培技術の確立

予算区分:

県単

研究期間:

2000〜2001年度

研究担当者:

小森秀雄、菅家文左衛門

発表論文等: なし

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