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セイヨウナシ「オーロラ」の最適な予冷・貯蔵期間と追熟方法

[要約]

セイヨウナシ「オーロラ」は、2〜5度Cで7日間以上予冷後、20度C以下で追熟すると揃いがよく、食味が良好となる。収穫後の2度C冷蔵による貯蔵期間は20日間以内が望ましい。

[キーワード]

セイヨウナシ、「オーロラ」、予冷、追熟、貯蔵

[担当] 山形農総研セ・農生技試・果樹研究科
[連絡先] 電話 0237-84-4125,電子メール nogishi@pref.yamagata.jp
[区分] 東北農業・果樹
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]
現在のセイヨウナシの品種構成は「ラ・フランス」に偏重しており、出荷時期が集中し、流通上の問題点となっている。そのため、セイヨウナシの生産・消費のさらなる拡大を図る上では、「ラ・フランス」の前後に収穫される品種の導入が必要とされている。なかでも、「オーロラ」は早生で食味が優れることから、優良品種として期待されている品種である。そこで、「オーロラ」に適した予冷期間、出荷調整のための貯蔵期間、出庫後の追熟方法を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
  1. 予冷は2〜5度Cで7日間以上行うことにより、追熟の揃いや食味が良くなる。予冷期間が短いと、揃いが悪く、肉質、食味が劣る場合がある(表1)。
  2. 収穫後の2度C冷蔵による貯蔵期間が長くなると、出庫から可食期までの期間が短くなる他、食味が劣るため、貯蔵期間は20日間以内が望ましい(表2)。
  3. 追熟は20度C以下で行うことにより、揃いがよく、食味が良好になる。ただし、室温追熟では、温度変化が大きいと追熟の揃いが悪く、肉質が劣り、果汁が少ないなど、食味が劣るので、できるだけ涼しく、温度変化の少ない場所で追熟する(表3表4)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 追熟時には、湿度が低い(80%以下)と目減りが多くなるほか、追熟の揃いが悪くなるのでの、湿度の確保には十分留意する。
  2. 予冷温度が高いと、冷蔵庫内で追熟(果色の黄化、果肉の軟化)が進み、出荷期を失してしまう場合があるので、予冷温度は5度Cを上まわらないよう注意する。
[具体的データ]
[その他]
研究課題名 園芸作物の奨励品種決定調査
予算区分 県単
研究期間 2002〜2005年度
研究担当者 松田成美、安達栄介、山田広市朗、安孫子裕樹