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福島県会津地方における中華麺適性の高い小麦生産のための窒素追肥技術

[要約]

「ゆきちから」を用いて、子実タンパク質含量12%以上の小麦を生産するために は、出穂期追肥後7〜10日の止葉葉色を測定し、SPAD502指示値で44未満であれば、さら に窒素の上乗せ追肥を行う。

[キーワード]

コムギ、ゆきちから、子実タンパク質含量、窒素追肥

[担当]

福島農総セ・会津地域研究所

[代表連絡先]

電話0242-82-4411

[区分]

東北農業・作物(冬作物)

[分類]

技術・普及

[背景・ねらい]

福島県会津地方は「喜多方ラーメン」に代表されるラーメンの産地である。この立地条件を生かし、地場産小麦を活用した「ゆきちから」ラーメンの開発に取り組んでいるが、積雪地帯のために子実タンパク質含量が上がりにくいことから、中華麺適性の高い小麦(子実タンパク質含量が12%以上)の安定生産が課題となっている。このため、小麦の子実タンパク質含量12%以上を安定的に確保するための栽培法を検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 「ゆきちから」の子実タンパク質含量は出穂期追肥後7〜10日の止葉葉色との相関が高く、出穂期追肥後7〜10日の止葉葉色(X)によって子実タンパク質含量(Y)を次式のとおり推定できる。子実タンパク質含量を12 %以上にするためには、出穂期追肥後7〜10日の止葉葉色をSPAD502指示値で44以上にする必要がある(図1)。
    Y=0.3402X-2.8836
  2. 出穂期追肥後7〜10日の止葉のSPAD502指示値から子実タンパク質含量を推定し、子実タンパク質含量が12%を下回ることが予想される場合は、さらに窒素を上乗せ追肥する。窒素上乗せ追肥による子実タンパク質含量増加の期待値は、窒素1kg/10a当たり0.4〜0.5%である(図2)。
  3. 出穂後の窒素追肥は、追肥効果が安定して高い出穂14日後頃までに行う(図3)。
  4. 現地実証ほにおける出穂期追肥後7〜10日の窒素上乗せ追肥の効果は、調査したす べての実証ほで確認され、窒素追肥による子実タンパク質含量の増加量は、平均で窒素1kg/10a当たり0.6〜0.7%である(図4)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 窒素施肥量は基肥10kg/10a、幼穂形成期追肥3kg/10a、出穂期追肥3kg/10aを標準とする。
  2. 本成果は、福島県会津地方での試験結果を基に作成したものである。
  3. 窒素追肥による中華麺用小麦粉の灰分含量や粉色への影響は実用上問題ない。
  4. 葉色はコニカミノルタ社の葉緑素計SPAD-502を用いて、止葉の中程を測定した。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
小麦高品質化のための品質制御技術(2001〜2005年度)
地場産小麦の中華麺適性の解明と安定供給技術の開発(2006〜2008年度)
予算区分
県単(2001〜2005年度)、実用技術(2006〜2008年度)
研究期間
2001〜2008年度
研究担当者
渡部隆、荒川市郎、斎籐正明、渡邉洋一