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大粒大豆「里のほほえみ(東北160号)」の山形県における奨励品種(認定品種)への採用

[要約]

「里のほほえみ」は、「エンレイ」と比べ成熟期が5日程度遅い“中生の晩”で、収量は並だが百粒重、品質、耐倒伏性に優れ、ダイズモザイク病に強く、豆腐加工適性に優れる。2009年度から山形県の奨励品種(認定品種)に採用する。

[キーワード]

ダイズ、大粒、里のほほえみ、奨励品種

[担当]

山形農総研セ・農業環境研究部・作物資源開発科

[代表連絡先]

電話023-634-3516

[区分]

東北農業・作物(夏畑作物)

[分類]

技術・普及

[背景・ねらい]

大豆は山形県における主要な水田転作作物であるが、百粒重の低下や生育量不足などにより平均収量は低迷している。品質面でも、粒の充実不足、しわや裂皮などの障害粒の発生も見られ、上位等級比率が低くなっている。また、現在の主力の「エンレイ」は、ダイズモザイクウィルス抵抗性が不十分であり、倒伏抵抗性も弱い。一方、実需者からは、外観品質が良く、加工適性の高い新たな大豆品種が求められている。このため、大豆奨励品種決定調査において、山形県内での栽培に適し、収量・品質が高く、加工適性に優れた大粒品種を選定する。

[成果の内容・特徴]

  1. 「里のほほえみ」は、百粒重が約37gで、粒大は“大の中”である。成熟期は「エンレイ」より5日程度遅い“中生の晩”であり、収量は「エンレイ」並、品質は「エンレイ」並からやや優る(表1)。
  2. 最下着莢高が高く、主茎長はやや長いが耐倒伏性に優れるので、コンバイン収穫に適する(表1)。
  3. 「エンレイ」と比べてダイズモザイク病に強い(表2)。
  4. 子実中の粗タンパク質含有率は「エンレイ」並に高い(表1)。豆腐加工適性評価では豆乳の粗タンパク質含有率や破断強度が高く、豆腐加工適性に優れる(表3)。
  5. 「里のほほえみ」は大粒でダイズモザイク病抵抗性が強く、品質、収量が安定して高いため、2009年度から山形県の奨励品種(認定品種)として採用する。

[成果の活用面・留意点]

  1. 「スズユタカ」や「エンレイ」の一部に替わる奨励品種(認定品種)として山形県内大豆作付地帯に適応し、普及面積は1,000ha程度が見込まれる。
  2. 調製にあたっては大粒用の粒径選別網を用い、粒度揃いに注意する。
  3. ダイズシストセンチュウ抵抗性はエンレイと同様に“弱”である。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
主要農作物奨励品種決定調査
予算区分
県単
研究期間
2006〜2008年度
研究担当者
原田博行、柴田康志、浅野目謙之、高橋哲史