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黒毛和種における子宮頸管粘液pH による過剰排卵処理後の卵巣反応の推定

[要約]

過剰排卵処理後の卵巣の反応性は、発情周期7〜8日目に子宮頸管粘液のpH を測定 することで推定でき、pHが6.0〜6.9のものでは過剰排卵処理に対する反応性がよく、7.8 以上のものでは著しく悪い。

[キーワード]

過剰排卵処理、プロゲステロン、子宮頸管粘液pH

[担当]

岩手農研・畜産研究所・家畜育種研究室

[代表連絡先]

電話019-688-4328

[区分]

東北農業・畜産

[分類]

技術・普及

[背景・ねらい]

過剰排卵処理に対する反応性は血統など多くの要因が関与し、個体差や同一個体においてもその時によりばらつきがあることが知られている。反応性の悪い牛を事前に知ることができれば供卵牛の選定や過剰排卵処理に係る経費の節減が可能である。そこで、処理後の反応性と処理開始時のプロゲステロン濃度および子宮頸管粘液pHの関連を調査し、簡易に卵巣反応を判定できる指標を作成する。

[成果の内容・特徴]

  1. 過剰排卵処理後の卵巣の反応性は、発情周期7〜8日目および過剰排卵処理開始時の血中プロゲステロン濃度が低い牛で悪いことから、血中プロゲステロン濃度を測定することで処理後の反応性を推定できる(図1) 。
  2. 発情周期7〜8日目および過剰排卵処理開始日の血中プロゲステロン濃度は、子宮頸管粘液pHを測定することで推定することができる(図2) 。
  3. 子宮頸管粘液pHを測定することで処理後の反応性を推定でき、発情周期7〜8日目の子宮頸管粘液pHが6.0〜6.9のものでは過剰排卵処理に対する反応性がよく、7.8以上のものでは著しく悪い(表1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 採卵を行う獣医師が供卵牛を選定する際に活用する。
  2. 黒毛和種供卵牛にFSH 製剤20AUを用いて過剰排卵処理をした成績である。
  3. 子宮頸管粘液のpH測定により過剰排卵処理後に無発情の牛を推定することはで きない。
  4. 子宮頸管粘液のpHが6.0未満については卵巣反応との関連は不明である。
  5. 子宮頸管粘液のpHは空気に触れることで変化するのでNJカテーテルを用いて採取しただちに測定する。
  6. pH 測定には携帯用pH測定器(アズワン(株)ラコムテスターpH 計)を使用する。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
正常胚安定生産技術の確立
予算区分
県単
研究期間
2005〜2008年度
研究担当者
細川泰子、米澤智恵美