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リンゴ受粉専用品種の腋花芽着生を安定させる剪定方法

[要約]

「Aldenham Purple」、「Midget」、「Snowdrift」に対して花弁落花直後又は休眠期に前年枝の数芽を残して、強く切り返すと、40 %程度以上の腋花芽着生率を確保できる。また、この剪定法においては、受粉専用品種への摘果作業は省力化される。

[キーワード]

受粉専用品種、クラブリンゴ、隔年結果、夏期剪定、省力化

[担当]

宮城農園研・園芸栽培部・果樹チーム

[代表連絡先]

電話022-383-8132

[区分]

東北農業・果樹

[分類]

研究・参考

[背景・ねらい]

受粉専用品種が、受粉樹として機能するためには、毎年安定して開花する必要がある。そのため受粉専用品種について、隔年結果防止に有効で、かつ省力的な剪定法を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. 受粉専用品種であるクラブリンゴに、花弁落花直後または、休眠期に前年枝を数芽残して強く切り返し剪定すると(以下、落花後剪定,休眠期剪定と省略)、切り返しをしない枝から伸長した延長枝に比べると腋花芽の着生は劣るものの、隔年結果することなく毎年40%以上の腋花芽率となる(図1表1)。
  2. 落花後剪定、休眠期剪定を適用できるクラブリンゴの品種は供試した6品種のうち、「Aldenham Purple」、「Midget」、「Snowdrift」に限られる。「Liset」では、年次による変動が見られ、「Indian Magic」、「Peachleaf」は強く切り戻す剪定を行うと腋花芽 の着生率は低くなる(表1)。
  3. 休眠期剪定を行う場合は、腋花芽が結実した後の休眠期に剪定を行うため、結実した果実は枝上に残るが、当年伸長した新しい枝上の腋花芽着生は良好であるため、摘果作業は省略できる(図1表1)。
  4. 落花後剪定を行う場合は、花弁落花後速やかに行うことが必要である。剪定時期が遅れることにより、枝の伸長量及び腋花芽の着生率は低下する(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 落花後剪定、休眠期剪定を行うと多くの品種で新梢が長く伸びるが、「Snowdrift」では、短い傾向で、年次変動も大きく,樹体の生育は劣る。このため「Snowdrift」では、樹冠が拡大してから、落花後剪定、休眠期剪定を行うことが良い。
  2. 落花後剪定、休眠期剪定を行うと、開花は腋花芽が主体となる。「Aldenham Purple」、「Midget」、「Snowdrift」の腋花芽の開花は、「ふじ」の頂芽の開花より1〜3日遅れるため、落花後剪定、開花後剪定を行わない枝を残して頂芽を開花させ、開花期間を前進させる。または、開花時期が早いクラブリンゴを授粉専用品種として混植して開花期間を延長するなどの対策を行う必要がある。
  3. 休眠期剪定を行う場合は、腋花芽が開花・結実した後の休眠期に剪定を行うため、結実した果実は枝上に残るが、この果実に対する摘果作業は実施していない。
  4. 耕種概要
    (1)「Aldenham Purple」、「Midget」、「Liset」、「Indian Magic」、「Peachleaf」はマルバカイドウを台木とした。「Snowdrift」は、「JM7」を台木とした。供試樹は2001〜2002年に接ぎ木,2003年3月に定植した。薬剤散布,施肥,雑草管理などはリンゴ食用品種と同様とした。供試樹に対する摘果作業は実施していない。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
リンゴ品種の単植化に向けた新しい結実安定法の開発
予算区分
実用技術
研究期間
2004〜2008年度
研究担当者
鵜飼真澄、大沼欣生、高嶋名世瑠、菅原怜、池田裕章、菊地秀喜、安江恵美子