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昆虫病原性線虫剤、スタイナーネマカーポカプサエ剤を使ったコスカシバ防除

[要約]

5月下旬〜7月上旬の雨天時に、スタイナーネマカーポカプサエ剤(2500万頭/25L)をモモ主幹部全面に散布(1〜2L/樹)することにより、コスカシバ幼虫に対する高い防除効果が得られる。

[キーワード]

スタイナーネマカーポカプサエ、昆虫病原性線虫剤、生物農薬、コスカシバ、モモ

[担当]

福島県農業総合センター果樹研究所・病害虫科

[代表連絡先]

電話024-542-4199

[区分]

東北農業・果樹

[分類]

技術・普及

[背景・ねらい]

モモの枝幹害虫であるコスカシバは、交信攪乱剤や化学合成農薬によって防除されているが、効果が劣ったり、また化学合成農薬は薬害が生ずるおそれがある。そこで、生物農薬である昆虫病原性線虫剤、スタイナーネマカーポカプサエ剤による防除法を検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 6月下旬の降雨の合間に、動力噴霧機を用いてスタイナーネマカーポカプサエ剤(約5億頭/500L)をモモ枝幹部を中心に全面散布(10a)することにより、コスカシバ幼虫に対する高い防除効果が得られる(表1図1)。
  2. 散布直後から3日間晴天が続くような気象条件下では、薬液が乾燥するため、コスカシバ幼虫に対する効果が得られない場合がある(表1図1)。
  3. 7月上旬の降雨の合間に、背負い式動力噴霧機を用いて本剤(約2500万頭/25L)をモモ主幹部全面に樹当たり約1.8L散布することにより、コスカシバ幼虫に対する高い防除効果が得られる(表2図2)。
  4. 同時期期に、ハンドスプレーを用いて本剤(約2500万頭/25L)をコスカシバ幼虫が排出した虫糞か所だけを対象に、虫糞排出か所当たり約5ml散布する場合でも、幼虫の死亡率は主幹全面散布よりも低いものの、防除効果が得られる(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本剤は乾燥や高温に弱いため、散布は降雨の合間や小雨のある日を選び、幹が濡れているときに行う。
  2. 本剤は、モモの殺虫剤削減防除体系において使用できる有効な防除資材である。
  3. 本剤は10g(2500万頭)で約2,500円であり、10a(植裁本数20樹)で試算すると約3,600円(1.8L/樹)と、DMTP乳剤(1L、約4,000円)の約4,000円(使用濃度200倍、200L/10a)と比較し、ほぼ同等である。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
生物農薬利用を中心としたリンゴ・モモの環境調和型害虫防除体系確立試験
予算区分
県単
研究期間
2002〜2006年度
研究担当者
荒川昭弘、相原隆志、佐々木正剛、岡崎一博
発表論文等
荒川、岡崎(2004)北日本病虫研報、55:262-263