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飼料用米など非主食用向け水稲多収新品種「岩南29 号」の育成

[要約]

「岩南29 号」は、熟期が「ひとめぼれ」並の“晩生の中”に属する飼料用米など非 主食用として利用できる多収品種である。耐倒伏性は“強”、障害型耐冷性は“強”、い もち病圃場抵抗性は葉いもち、穂いもちとも“やや強”である。

[キーワード]

イネ、岩南29 号、非主食用、多収品種、飼料用米

[担当]

岩手農研・技術部・作物研究室

[代表連絡先]

電話0197-68-4418

[区分]

東北農業・作物(稲育種)

[分類]

技術・参考

[背景・ねらい]

いわてオリジナル水稲品種開発事業では、低コスト生産や飼料稲への利用を視野に入れた多収品種の育成に取り組んでいる。また、近年、遊休農地の増加、輸入家畜飼料や原油の価格高騰を背景に、飼料用米品種やバイオエタノール用品種の要望が高まっている。しかし、既存の多収品種は耐冷性が不十分であるため、岩手県の気象条件に適した多収品種が求められている。

そこで、耐冷性が強く、飼料用米など多用途に利用できる多収品種の育成をめざす。

[成果の内容・特徴]

  1. 「岩南29号」は中晩生の多収品種の育成を目標として、1994年に「江70(チヨホナミ/山形37号)」を母、「ふくひびき」を父として人工交配を行い、選抜・固定を図ってきたものである。
  2. 出穂期、成熟期とも「ひとめぼれ」並で、育成地では“晩生の中”に属する(表1)。
  3. 稈長は「ひとめぼれ」並、穂長は「ひとめぼれ」よりやや長く、穂数は「ひとめぼれ」より少なく、草型は“偏穂重型”に属する。押し倒し抵抗値が「ひとめぼれ」より大きく、耐倒伏性は「ひとめぼれ」より強い“強”である(表1表2)。
  4. いもち病真性抵抗性遺伝子型は“Pia”と推定され、圃場抵抗性は葉いもち、穂いもちとも“やや強”である。障害型耐冷性は「ふくひびき」より強い“強”、穂発芽性は“やや難”である(表1)。
  5. 収量性は「ひとめぼれ」に比べて明らかに優り、多収品種である「ふくひびき」「コガネヒカリ」より玄米収量が多い(表3)。玄米千粒重は「ひとめぼれ」より大きく、「ふくひびき」並である(表1)。
  6. 玄米品質は「ひとめぼれ」より劣る(表1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 適応地帯は、岩手県中南部の北上川流域標高200m 以下地帯である。
  2. 飼料用米、稲発酵粗飼料用、バイオエタノール用、米粉用などへの利用が考えられる。
  3. いもち病圃場抵抗性は“やや強”であるが、基本防除に努めること。
  4. 一般主食用品種に比べて、品質、食味は劣る。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
多様な消費者ニーズ・生産基盤等に対応した商品性の高い、いわてオリジナル品種の開発
予算区分
県単
研究期間
1994〜2008年度
研究担当者
菅原浩視、阿部陽、高草木雅人、佐々木力、仲條眞介、木内豊、高橋真博、照井儀明、中野央子、佐藤喬、田村和彦、扇良明、尾形茂、小田中浩哉、神山芳典