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切り餅加工適性に優れる中山間地向け水稲糯新品種候補「福島糯8号」の採用

[要約]

水稲「福島糯8号」は、“中生の早”の糯品種で「ヒメノモチ」より多収であり、餅の硬化速度が速く、丸めやすいので、切り餅、丸め餅及びおこわへの用途に向いているため、福島県阿武隈山間地域対象の奨励品種(特定品種)に採用する。

[キーワード]

イネ、新品種、福島糯8号、糯米、切り糯

[担当]

福島県農総セ・作物園芸部

[代表連絡先]

電話024-958-1722

[区分]

東北農業・作物

[分類]

技術・普及

[背景・ねらい]

福島県の阿武隈山間地では、売れる米作りへの取り組みとして糯品種の栽培が行われているが、山間地の主力品種である「ヒメノモチ」は、耐冷性が弱く、穂発芽しやすいことから、収量や品質が不安定である。そこで収量、品質が安定し、餅加工適性の高い品種が求められている。

[成果の内容・特徴]

  1. 「福島糯8号」は、出穂期、成熟期が「ヒメノモチ」より早い“中生の早”に属し、熟期の点で阿武隈山間地への適応性が高い。
  2. 穂発芽性は“やや難”で、「ヒメノモチ」より穂発芽しにくい。
  3. 障害型耐冷性は“極強”で、「ヒメノモチ」より収量の安定性が高く、多収である(表1)。
  4. 「ヒメノモチ」より硬化速度が早いため、切り餅や丸め餅等の餅加工適性が優れている。(図1)。
  5. おこわの食味は、「ヒメノモチ」より粘りがやや強く、外観及び味が優り、良食味であり、おこわ加工適性が高い(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 福島県の阿武隈山間地域(400〜500m)で約100ha 程度の作付けを見込む。
  2. 加工適性が高いので、地域特産品開発等による地域の売れる米づくりを支援し、地域活性化に貢献できる。
  3. ヒメノモチより短稈であるが、耐倒伏性がヒメノモチ並なので、肥培管理には注意する。
  4. 籾数を確保しやすい反面、青未熟粒により品質が低下する場合があるので、多肥栽培は避け適期刈り取りに努める。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
水稲奨励品種決定調査
予算区分
県単
研究期間
2000年〜2008年
研究担当者
笹川正樹、内山かおり、手代木昌宏