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畦畔防除のみでカスミカメムシ類による斑点米被害を回避できる

[要約]

1ha程度の大区画圃場で、出穂期6日前頃の畦畔にジノテフラン剤を1回散布すると、カスミカメムシ類成虫の水田内への侵入を抑制し、斑点米被害を回避できる。本防除法によるジノテフラン剤散布量は、通常量を水田内に散布する場合に比べて最大で96%削減することができる。

[キーワード]

アカヒゲホソミドリカスミカメ、アカスジカスミカメ、畦畔防除、ジノテフ ラン剤、斑点米

[担当]

秋田農技セ農試・生産環境部

[代表連絡先]

電話018-881-3330

[区分]

東北農業・基盤技術(病害虫)

[分類]

技術・参考

[背景・ねらい]

東北地方において斑点米カメムシ類の主要種となっているアカヒゲホソミドリカスミカメ(以下アカヒゲと略す)やアカスジカスミカメ(以下アカスジと略す)は、主として畦畔のイネ科雑草で増殖し、出穂期以降に成虫が水田内へ侵入して加害する。そのため、出穂期前に畦畔へ殺虫剤を散布することによって畦畔の密度を低減できれば、水田内に侵入する成虫の個体数を抑制し、本田防除をしなくても斑点米被害を回避できると考えられる。

そこで、「あきたこまち」作付圃場において、ジノテフラン剤を用いた畦畔防除技術について検討を行った。

[成果の内容・特徴]

  1. イネの出穂期6日前頃の畦畔にジノテフラン剤を1回散布すると畦畔のカスミカメムシ類の発生を抑制できる(図1)。そのため、出穂期以降の水田内へのカスミカメムシ類成虫の侵入密度が低くなり、次世代幼虫の発生も少なくなる(図2)。
  2. 斑点米混入率は、畦畔防除の規模が30a程度の圃場単位では0.1%を超える場合があるが、1ha規模では水田内で被害が集中する地点が確認されるものの0.1%以下を確保できる(表1図3)。
  3. 畦畔防除のジノテフラン剤散布量は、通常量を水田内に散布する場合に比べて最大で96%の削減が可能である(表1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 1ha程度の大区画圃場で実施する。
  2. 畦畔への薬剤散布は、ジノテフラン剤を用いて出穂期6日前頃に実施する。
  3. 畦畔の草刈りをイネの出穂の10〜15日前までに行い、カスミカメムシ類の密度低下を図る。その後、水田内に追い込まないために収穫2週間前までは除草を控える。
  4. 草刈りや除草剤の利用などにより畦畔以外の水田周辺や水田内の雑草対策を適切に講ずる。
  5. アスパラガス等が隣接している圃場では、ジノテフラン液剤を用いて農薬飛散防止カバーを付ける。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
斑点米カメムシ類の発生予察技術の高度化と斑点米被害抑制技術の開発
予算区分
実用技術
研究期間
2006〜2008年度
研究担当者
高橋良知、菊池英樹、新山徳光、糸山享