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単為結果性ナス「あのみのり」の防虫ネット被覆ハウス栽培

[要約]

単為結果性ナス「あのみのり」を防虫ネット被覆ハウス内で栽培すると、ミツバチによる着果管理を行わなくても、露地と比較して可販果収量が増加する。この可販果収量は、普及品種「くろべえ」(ミツバチ放飼)と比べて、やや少ない〜同程度である。

[キーワード]

単為結果、防虫ネット、ミツバチ

[担当]

福島農総セ・作物園芸部・野菜科

[代表連絡先]

電話024-958-1724

[区分]

東北農業・野菜花き(野菜)

[分類]

技術・参考

[背景・ねらい]

防虫ネット被覆ハウス(以下、ネットハウスという)は、簡易パイプハウス全体をプラスチックフィルムではなく、防虫ネットで被覆した施設であり、害虫の侵入を物理的に抑える、気象災害を回避、軽減する等の利点がある。

この施設を活用した夏秋ナス栽培では、訪花昆虫としてミツバチを放飼することによって品質向上や収量増加が実現できる。一方、訪花活動を維持するために、使用できる農薬が制限されたり、日常的な飼養管理が必要であるなど新たな負担も生じている。また、最近の交配用ミツバチの供給不足という問題もあることから、単為結果性品種「あのみのり」のネットハウス栽培への適性を検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 「あのみのり」は、ネットハウス内で栽培することにより、露地と比較して可販果率が向上し、また、ミツバチ放飼の有無に関わらず、可販果数及び可販果収量も増加する。この可販果数及び可販果収量は、普及品種「くろべえ」(ミツバチ放飼)と比べて、やや少ない〜同程度である(表1)。
  2. 「あのみのり」は、ミツバチを放飼していないネットハウス内で栽培しても、受精不良果の発生は少ない。一方、露地栽培及びミツバチを放飼したネットハウス内で栽培した場合と比べて、曲がり果の発生が増加する(図1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 栽培期間中に、曲がり果の発生による可販果率の低下が見られる場合は、一時的にミツバチ等による着果管理を行う必要がある。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
ナスのネットハウス栽培技術の確立
予算区分
県単
研究期間
2006〜2008年度
研究担当者
木村善明、三好博子