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積雪地帯におけるホウレンソウの露地秋播き春どり栽培法
[要約]
ホウレンソウ露地栽培で、4月に良品を安定生産するには、前年の10月20日頃に播種し、融雪後の3月中旬に追肥、3月下旬にトンネルを被覆する。この作型に適する品種は「サンピア」である。
[キーワード]
ホウレンソウ、品種「サンピア」、露地秋播き春どり、追肥、トンネル
[担当]
山形農総研セ・農生産技試・野菜花き研究科
[代表連絡先]
電話0237-84-4125
[区分]
東北農業・野菜花き(野菜)
[分類]
技術・参考
[背景・ねらい]
4月の山形県内市場でのホウレンソウは、単価が比較的高い場合が多いが、県外産の比率が高く、県内の生産が望まれている。そこで、晩秋から春まで耕作されることの少ない露地圃場を用いて、4月に収穫する作型を開発する。
[成果の内容・特徴]
- この作型に適した品種は「サンピア」である(表1)。
「サンピア」は、抽苔や葉先枯れが少なく良品収量が多い。
- 4月に良品を安定生産するためには、前年の10月20日頃に播種する(表2)。
- 根雪までに、葉数が10枚を超えると、抽苔や葉先枯れ等の障害が発生する可能性が高くなる。根雪前の葉数は5枚程度が適正である(表2)。
- 3月下旬にトンネル被覆することにより、平均収穫日は約10日早まり、葉先枯れや土付き株の発生が減少し品質、良品収量が向上する(表3)。
- 融雪後に、窒素成分で2.5kg〜5kg/10aを追肥することで、収穫期が前進し、良品収量が向上する(表2)。
- 停滞水位が低い排水の良好な圃場ほど、生存株率や、収穫期の地上部重が増加する(表4)。
[成果の活用面・留意点]
- この作型の適応地域は、例年3月中旬までに融雪する地帯を目安とする。また、秋や春の気象条件により、収穫時期や品質は変動する。特に、融雪が遅く収穫時期が遅れた場合は、抽苔率が高まる可能性があるので注意する。
- 追肥時は、肥料焼けを起こすことがあるので注意する。
- トンネル被覆は、終日片側を10cm程度開放する。
[具体的データ]
[その他]
- 研究課題名
- 積雪地帯におけるダイコン・ホウレンソウ等の越冬早春どり作型確立
- 予算区分
- 受託
- 研究期間
- 2005〜2007年度
- 研究担当者
- 中西政則、齋藤克哉