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無加温二重被覆ハウスでのレタスの栽培及び寒締め適応性

[要約]

無加温二重被覆ハウスにおいては冬期間、クリスプヘッド(玉)レタス、リーフ(葉)レタス及びコス(立)レタスの栽培が可能である。また、寒締めによる食味の向上等が認められる。

[キーワード]

レタス、無加温ハウス栽培、品種、寒締め

[担当]

福島農総セ・作物園芸部・野菜科

[代表連絡先]

電話024-958-1724

[区分]

東北農業・野菜花き(野菜)

[分類]

技術・参考

[背景・ねらい]

無加温ハウスによる冬期間の野菜栽培は、夏秋果菜類栽培等の施設を有効利用することができる一方、利用期間が限られ、また温度条件は自然条件と保温に頼ることとなる。これらの条件に適合する品目としてレタスをとりあげ、栽培の実用性に加え、生産物の差別化を図るための寒締め効果について検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 無加温二重被覆ハウス栽培を用い、播種は10月上旬(128穴セルトレイ育苗)、定植は11月上旬、温度管理は25℃で換気を行い、12月上旬から二重被覆を行うことで、品種選定によりクリスプヘッド(玉)型、リーフ(葉)型及びコス(立)型の栽培が可能である(表1)。調製重が重く、生育が揃う品種として、クリスプヘッドは「ワトソン」、緑色系リーフは「カットマン」、赤色系リーフは「レッドファルダー」、コスは「コスタリカ2号」が適している。
  2. 寒締めは、2月上旬から馴化を数日行い2〜3週間処理を行う。なお、処理中のハウス内気温及び地温は表4となった。
    クリスプヘッド(玉)レタスでは、低温性障害が少なく歯触りが向上する「ワトソン」と食味が良く向上する「シリウス」が有望品種であり(表2)、糖度・スクロースの増加、品種により甘味アミノ酸の増加及び苦味アミノ酸の減少が認められる(表3)。
    リーフ(葉)レタスのうち赤色系では、濃赤色となる「レッドファルダー」と苦味が少なくなる「レッドウェーブ」が有望品種であり(表2)、糖度・スクロース・アントシアニンの増加、品種により甘味アミノ酸・総アミノ酸の増加及び苦味アミノ酸の減少が認められる(表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 無加温二重被覆ハウス内で最低気温が−2℃ 以上を確保できる南東北の一部で適応可能である。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
無加温ハウスの冬期間高度利用技術の確立
予算区分
県単
研究期間
2006〜2007年度
研究担当者
二階堂英行、佐藤睦人、佐久間秀明、大和田清三