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土壌と非接触で腐敗するキャベツからは亜酸化窒素が多く発生する

[要約]

土壌と接触しないキャベツの腐敗過程からは多量の亜酸化窒素が発生する。しかし、土中鋤込みや土上載せのキャベツ処理により亜酸化窒素発生は少なくなる。

[キーワード]

亜酸化窒素、キャベツ、野菜残さ処理、鋤込み

[担当]

福島農総セ・生産環境部

[代表連絡先]

電話024-958-1718

[区分]

東北農業・基盤技術(土壌肥料)

[分類]

研究・参考

[背景・ねらい]

近年、生活系での野菜残さの腐敗が大量の亜酸化窒素発生につながっていることが明らかになり、キャベツやホウレンソウについて生体中硝酸態窒素の資化による腐敗菌の関与が指摘されている。また、野菜残さ鋤込み後の野菜畑からの亜酸化窒素発生が報告されており、野菜残さが亜酸化窒素発生の基質となっていることが明らかになっている。このことから、キャベツ残さの処理法の違いによる亜酸化窒素発生への影響を比較検討した。

[成果の内容・特徴]

  1. キャベツのみ処理の亜酸化窒素発生は、腐敗が始まる(生ゴミ特有の腐敗臭を確認)処理7日後から急激に増加し13日後にピークがみられ、その後漸減し25日後以降はほとんど発生はみられない。処理8日後から15日後までのキャベツのみ区の亜酸化窒素発生は、土+キャベツ上載せ処理および土+キャベツ鋤込み処理に比較し著しく高い発生が認められる(図1)。
  2. 亜酸化窒素発生量(mgN/kg生キャベツ)は測定前半の20日間において、土+キャベツ上載せ処理及び土+キャベツ鋤込み処理に比べ約2倍の発生量がキャベツのみ処理でみられる。全測定期間(40日間)に発生する亜酸化窒素量のキャベツ中全窒素に対する割合は2.1〜4.2%である(表2)。
  3. キャベツのみ処理で高い亜酸化窒素発生がみられる期間に発生する亜酸化窒素のキャベツ中窒素由来率をみると、土+キャベツ上載せ処理および土+キャベツ鋤込み処理ではキャベツのみ処理に比べ概ね低く推移する。これは土壌が介在する処理での亜酸化窒素の低減に土壌中の窒素代謝が関与していることを示唆する(図2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 容量15Lのポリバケツを用いたポット試験で実施した。収穫直後の生キャベツを裁断し、ポット当たり0.6kgを用いた。土壌については黒ボク土をポット当たり生重で5kgを供試した。水分管理はキャベツのみ区はややポット底に水がたまる程度。土壌添加区では土壌最大容水量の60%を維持した。蓋については、半開きにし外気とのガス交換がある状態でガラスハウス施設にて静置。実験期間中のハウス内気温は15〜21℃。
  2. 水分や酸素供給、温度、湿度などの環境条件により腐敗等の分解に影響を及ぼし、亜酸化窒素発生が変化する可能性がある。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
わが国とアジア諸国の農耕地からの実効的なCH4、N2Oソース抑制技術の確立
予算区分
国庫(環境省地球環境研究総合推進費)、県単
研究期間
2007〜2008年度
研究担当者
三浦吉則