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豚の肥育全期間(体重30〜110kg)における玄米混合給与が産肉性に及ぼす影響

[要約]

玄米を市販配合飼料に20%混合し肥育全期間(体重30kgから110kgまで)に給与すると、発育、枝肉形質は同等で、皮下脂肪中のオレイン酸割合が高まり、リノール酸割合が低くなる。また、品種の交雑組み合わせによって脂肪酸組成への玄米混合給与の効果が異なる傾向にある。

[キーワード]

飼料用米、豚、肥育全期間

[担当]

岩手農研・畜産研・家畜育種研究室

[代表連絡先]

電話019-688-4328

[区分]

東北農業・畜産

[分類]

技術・参考

[背景・ねらい]

近年、飼料自給率の向上を目指そうと各地で玄米(飼料用米)を豚に給与する取り組みがみられる。そこで、豚の肥育全期間(体重30〜110kg)に玄米を混合給与した場合の発育、肉質に及ぼす影響について調査を行う。また、豚の品種の交雑組み合わせの影響ついても検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 市販配合飼料に玄米を20%混合し、肥育全期間(体重30〜110kg)に給与しても、DG(1日平均増体重)、飼料要求率等の発育成績及び背脂肪厚等の枝肉成績ともに市販配合飼料給与の場合と同等な成績が得られる(表2)。
  2. 玄米20%混合給与すると、皮下脂肪中のオレイン酸割合が高まり、リノール酸割合が低下し、脂質の改善が期待できる(表2)。
  3. 玄米混合給与によりLW・D は皮下脂肪中のオレイン酸割合が顕著に高まるが、LW・B の変化は少なく、LW・D20%混合給与と同等の高いオレイン酸割合である(図1)。
  4. 食味評価では、LW・D の玄米20%混合給与した豚肉は、玄米混合していない豚肉と比較して脂の滑らかさが良く、総合的においしいと評価される(図2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 試験に使用した玄米は食用ウルチ、モチ等が混合されたクズ米であり、飼料粉砕機にて2mm以下に粉砕したものである。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
地域ブランド豚肉に活用する種豚性能調査と飼養管理技術の確立
予算区分
県単
研究期間
2008〜2009年度
研究担当者
佐々木直、吉田力