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飼料米圧ぺんモミは黒毛和種肥育後期に濃厚飼料の代替として給与できる

[要約]

黒毛和種去勢肥育において、出荷前6 ヶ月間、濃厚飼料のTDN 比25%を飼料米圧ぺんモミで代替しても枝肉成績に大きな影響は与えず、高い脂肪交雑を期待する牛群に給与可能である。

[キーワード]

黒毛和種、肥育、飼料米、圧ぺんモミ

[担当]

福島県農業総合センター畜産研究所肉畜科

[代表連絡先]

電話024-593-1223

[区分]

東北農業・畜産

[分類]

技術・参考

[背景・ねらい]

食料自給率向上のため飼料米の生産と活用が注目されているが、その一環として、モミのまま圧ぺん加工した飼料米を黒毛和種肥育後期の濃厚飼料として給与する技術の開発を目指したものである。

[成果の内容・特徴]

  1. 出荷前6ヶ月間、濃厚飼料のうちTDN 比で25 %を圧ぺんモミで代替すると、濃厚飼料(TDN72%)に比べ圧ぺんモミ(TDN63%)のTDN が低いため給与量の総量は数百グラム増量する。日によって多少の残飼が見られるものの、食い込みは概ね良好である(図1)。
  2. 濃厚飼料代替割合は、出荷前6 ヶ月間が重量比約24%、肥育全期間では約9%であった(表1)。
  3. 体重の推移に差はない(図2)。
  4. 枝肉成績では、BMS No.が試験区7.4、対照区が7.8 とどちらも良好である。バラ厚、皮下脂肪厚では、対照区が試験区よりも厚くなるが、その他の項目には差が無く、配合飼料の25%を圧ぺん加工した飼料米で代替給与出来ることが確認できた。(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 肥育途中より飼料米を給与する場合、馴致のため段階的な給与量の代替が必要である。
  2. 高い脂肪交雑を期待する牛群に使用しても問題はない。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
飼料米の低コスト生産・調製・給与技術の開発
予算区分
委託プロジェクト(えさプロ)
研究期間
2008〜 2009 年度
研究担当者
富永哲、矢内清恭