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垣根仕立てブドウ「サニールージュ」のホルクロルフェニュロン加用ジベレリン早期処理による摘粒作業の省力化

[要約]

満開予定日14〜20日前のジベレリン25ppm の1回目処理時にホルクロルフェニュロン3ppm を加用し花房浸漬処理すると、花穂が伸長し、満開日がやや早まる。2回目処理までに先端から8〜10cmまでの支梗を残して整形すると、摘粒作業を省力化できる。

[キーワード]

ブドウ、サニールージュ、ジベレリン、ホルクロルフェニュロン、摘粒省力化

[担当]

青森産技セ・りんご研・県南果樹部

[代表連絡先]

電話0178-62-4111

[区分]

東北農業・果樹

[分類]

普及成果情報

[背景・ねらい]

青森県では、「サニールージュ」を垣根仕立てで栽培し、目標果房重を350g、1粒重を6g、着粒数を50〜 60粒としている。ジベレリン処理は満開時と満開10日後の2回(以下、慣行)行っているが、着粒が良好で密着した果房になりやすく、摘粒作業に多くの労力を要する。そこで、ジベレリン1回目にホルクロルフェニュロン液剤を加用し、早期処理することで花穂の伸長を図り、支梗の摘除を主体とした花穂整形により摘粒時間を短縮する。

[成果の内容・特徴]

  1. 満開予定日14 〜 20 日前のジベレリン25ppm の1回目処理時にホルクロルフェニュロン3ppm を加用し花房浸漬処理すると、花穂が伸長し、満開日がやや早まる(写真1表1)。
  2. 満開時から2回目のジベレリン処理時期までに、着粒数50 〜 60 粒を目安に果房の先端軸長8〜 10cm の支梗を残し、上部の支梗を取り除くように花穂整形する。満開10日後にジベレリン25ppm で2回目の果房浸漬処理をする。着粒密度が低減し、摘粒数が少ないため、摘粒時間は慣行の2割程度に削減できる(表1)。
  3. 慣行と比べて、収穫時の果実は着粒がやや粗着となる(写真2表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 普及対象
    ブドウ「サニールージュ」生産者
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等
    垣根仕立て栽培の「サニールージュ」作付地域
  3. その他 サニールージュ[無核栽培]の登録内容(平成23 年2月2日登録変更)
    1. ジベレリン水溶剤 使用目的:着粒密度低減、果粒肥大促進使用時期:1回目満開予定日14 日〜 20日前、2回目満開10 〜 15 日後、使用濃度:いずれもジベレリン25ppm、使用方法:1回目花房浸漬(ホルクロルフェニュロン3 ppm に加用)、2回目果房浸漬
    2. ホルクロルフェニュロン液剤(フルメット液剤) 使用目的:着粒密度低減、果粒肥大促進使用時期:満開予定日14 日〜 20 日前使用濃度:ホルクロルフェニュロン3ppm、使用方法:花房浸漬(1回目ジベレリンに加用、2回目ジベレリン処理は慣行)

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
ブドウ「サニールージュ」の高品質果実の生産・貯蔵技術の開発
予算区分
県交付金
研究期間
2009 〜 2013 年
研究担当者
藤村泰樹・久保隆・山道和子