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気化冷却高設ベンチを利用した「サマーティアラ」の冬定植体系の収量性

[要約]

中山間地域において気化冷却高設ベンチを利用した四季成り性イチゴ「サマーティアラ」の冬定植体系の収量は、株当たり500〜600g程度が見込め、春定植体系と同程度である。花房は、冬定植体系においても春定植体系と同様に連続出蕾する。

[キーワード]

四季成り性イチゴ、サマーティアラ、春定植、冬定植、気化冷却高設ベンチ

[担当]

山形最上産地研究室

[代表連絡先]

電話0233-22-2201

[区分]

東北農業・野菜花き(野菜)

[分類]

研究成果情報

[背景・ねらい]

四季成り性イチゴは春定植体系が主体となっているが、「サマーティアラ」は苗の自家生産により生産者の作業体系に合わせた定植時期の設定が可能である。春定植体系は他作物との労力競合が大きいことから、秋に採苗したセル苗を直接定植する冬定植体系の収量性について、「二槽ハンモック式気化冷却高設ベンチ」を利用して明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. 冬定植体系の可販果収量は、春定植体系とほぼ同等で株当たり500〜600g である。また、秀品1果重は11g 程度と大玉である(表1図1)。
  2. 冬定植体系では、春定植体系と同様に花房は連続出蕾し、夏秋期の長期にわたって収穫が可能である(表2図1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 試験地(山形県新庄市)における四季成り性イチゴ「サマーティアラ」の無加温栽培では、春定植体系、冬定植体系とも花房は4月中旬から出蕾が始まり、収穫花房の出蕾を5月上旬に設定すると、収穫は6月上〜中旬に開始される(図2)。
  2. 気化冷却高設ベンチの詳細は平成17 年度東北農業研究成果情報「寒冷地イチゴ夏秋どり栽培に適応する二槽ハンモック方式の気化冷却ベンチ」を参照のこと。
  3. 気化冷却高設ベンチの使用にあたっては、特許権実施許諾契約の締結が必要で、問い合わせ先は、山形県農業総合研究センター研究企画部(TEL 023-647-3500)。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
オリジナル四季成りイチゴの産地化技術の開発
予算区分
県単
研究期間
2008〜2011 年度
研究担当者
廣野直芳、長澤さゆり、大木 淳