研究所トップ研究成果情報平成25年度

ブドウ「シャインマスカット」の短梢剪定は第2芽剪定がよい

[要約]

ブドウ「シャインマスカット」の短梢剪定栽培では、第1芽剪定と第2芽剪定のいずれの方法でも発芽率は良好であるが、正常な花穂をより多く得るためには、第2芽剪定のほうがよい。

[キーワード]

シャインマスカット、短梢剪定、発芽率、花穂着生率

[担当]

秋田県果樹試験場

[代表連絡先]

電話0182-25-4224

[区分]

東北農業・果樹

[分類]

研究成果情報

[背景・ねらい]

「シャインマスカット」の短梢剪定栽培を導入する際に、結果母枝の発芽率や花穂の着生程度やその良否が不明なため、短梢剪定栽培をためらう生産者が多い。そこで、結果母枝の発芽率や花穂着生率に及ぼす主枝枝齢と剪定程度の影響を明らかにし、安定生産を可能にする短梢剪定法を確立する。

[成果の内容・特徴]

  1. 第1芽剪定を行った場合の第1芽の発芽率は、どの年次も90%以上と高く、主枝枝齢間の発芽率に一定の傾向はない(図1表1)。
  2. 第2芽剪定を行った場合の第1芽及び第2芽の発芽率は、2011年の第1芽の発芽率がやや低いが、それ以外はどの年次も概ね90%以上と高く、主枝枝齢間の発芽率に一定の傾向はない(図1表1)。
  3. 芽座全体の花穂着生率は、全年次及び全枝齢の平均で、第1芽剪定は69%、第2芽剪定は92%で、第2芽剪定のほうが高い(図1表1)。
  4. 第1芽剪定を行った場合の第1芽由来の果房と、第2芽剪定を行った場合の第2芽由来の果房に、品質の差はない(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 短梢剪定を行う場合は、第2芽剪定のほうが収量低下のリスクが少ない。
  2. 秋季剪定時は、なるべく第1芽や基底芽から出た結果母枝に切り返す。
  3. 基底芽から出た新梢は、できるだけ空枝として残し、葉数確保と翌年の結果母枝として育成する。

[具体的データ]

(船山瑞樹)

[その他]

研究課題名
「シャインマスカット」の一文字短梢整枝法による大粒無核栽培法の確立
予算区分
県単
研究期間
2008〜2013年度
研究担当者
船山瑞樹、中澤みどり