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オウトウ・ブドウの凍霜害危険度予測モデルで容易に危険度が求められる

[要約]

オウトウ「佐藤錦」、及びブドウ「巨峰」について、低温処理温度と被害発との関係に基づいて作成したロジスティック回帰モデルにより、凍霜害の発生危険度(ある気温に1時間遭遇した場合、凍霜被害が発生する確率)を予測できる。

[キーワード]

凍霜害、オウトウ、ブドウ

[担当]

福島県農業総合センター果樹研究所

[代表連絡先]

電話024-542-4749

[区分]

東北農業・果樹

[分類]

普及成果情報

[背景・ねらい]

温暖化の影響と推定される発芽期、開花期の前進化により、落葉果樹では晩霜害が増加傾向にあることから、効率的かつ効果的に晩霜害の発生を防止する技術開発が必要である。本研究では、オウトウ、ブドウについて生育ステージ別の凍霜害危険度予測モデルを作成する。

[成果の内容・特徴]

  1. オウトウ「佐藤錦」、ブドウ「巨峰」について、発育ステージごとに、ほ場から採取した切り枝を用いて低温処理を行い、雌しべや胚珠部の褐変、幼果表面の障害発生の有無を確認した結果、低温処理による被害率は、低温になるほど被害率は高まる傾向はあるものの、同一温度におけるばらつきが認められる(図1)。
  2. 被害発生に基づいて作成したロジスティック回帰モデルにより、生育ステージ別の凍霜害危険度(ある気温に1時間遭遇した場合、凍霜被害が発生する確率)を予測できる(図2表1表2)。

[普及のための参考情報]

  1. 普及対象(普及指導員、営農指導員、果樹生産者、市町村防霜対策担当者等)
  2. 普及予定地域 福島県全域の果樹栽培地域
  3. その他

[具体的データ]

(斎藤祐一)

[その他]

研究課題名
農水省委託プロジェクト
晩霜害の危険度評価に基づく効率的な防霜対策の実証(課題番号43140)
予算区分
2011 年〜 2012 年
研究期間
斎藤祐一・佐久間宣昭・永山宏一
研究担当者
佐久間ら(2013)園学研.(Hort.Res.(Japan))12(4):403-409.