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秋ギク「神馬」の12月出荷作型ではEOD変温管理により省エネ栽培が可能となる
[要約]
秋ギク「神馬」の12月出荷作型において、切り花品質が慣行と同等で、開花遅延が小さいEOD-heating処理を用いた変温管理は、花芽分化期は日没後4時間22度C、それ以外12度C、花芽発達期は明期15度C、日没後4時間17度C、暗期10度Cに加温する方法である。
[キーワード]
神馬、12月出荷作型、省エネルギー、変温管理、EOD-heating
[担当]
秋田農試・野菜・花き部・花き担当
[代表連絡先]
電話018-881-3330
[区分]
東北農業・野菜花き(花き)
[分類]
研究成果情報
[背景・ねらい]
秋ギクにおける12月出荷作型では、近年、原油価格の不安定化が著しく、これに左右されずに安定生産するための暖房燃料使用量の削減が緊急課題となっている。そこで、本研究では、主要品種「神馬」を用いて切り花品質を低下させず、暖房燃料使用量の削減を図るため、生育ステージ別のEOD-heating(日没後短時間昇温)処理を用いた効率的な変温管理方法を確立する。
[成果の内容・特徴]
- 秋ギク「神馬」の12月出荷作型における花芽分化期は、明期を12度C、日没後4時間を22度C、暗期を12度Cで加温する(表1、図1)ことで、慣行である18度C一定から3日以内に出蕾し、生育は慣行同等となる。このEOD-heating処理を用いた変温管理方法により暖房熱量は慣行の66.6%となる(表2)。
- 花芽発達期は、明期を15度C、日没後4時間を17度C、暗期を10度Cで加温する(表1、図1)ことで、慣行である14度C一定と比較して、開花および切り花品質は同等となる。このEOD-heating処理を用いた変温管理方法により、暖房熱量は慣行の98.6%となる。明期温度を20度Cにすることで慣行より第5葉が大きくなるが、暖房熱量は慣行より高くなる(表3)。
- 秋ギク「神馬」の12月出荷作型における開花遅延せず、切り花品質も低下しないEOD-heating処理を用いた変温管理は、花芽分化期は明期を12度C、日没後4時間を22度C、暗期を12度Cし、花芽発達期は明期を15度C、日没後4時間を17度C、暗期を10度Cにそれぞれ加温する方法である(表2、表3)。以上の変温管理方法を行うことで、生育期間全体の暖房熱量は慣行の81.7%(試算)となる。
[成果の活用面・留意点]
- 本試験は、秋田県の12月出荷作型において「神馬」を栽培した際の結果である。
- 寡日照地域では、上位葉の小型化防止のためには温度管理だけでは不十分であり、再電照を行うことが望ましい。
- 定植から消灯日までの栄養成長期は25度C換気、10度C加温の条件で管理している。
[具体的データ]
(秋田県農業試験場)
[その他]
- 研究課題名
- 省資源型花き栽培に適応した生産拡大技術の開発
- 予算区分
- 県単、実用技術
- 研究期間
- 2010〜2014年度
- 研究担当者
- 山形敦子、佐藤孝夫、間藤正美、佐藤努、横井直人