[成果情報名]

低銅・低亜鉛飼料が子豚の発育に与える影響とふん中銅・亜鉛の低減

[要約]哺乳期子豚育成用配合飼料中の銅・亜鉛量は日本飼養標準要求量まで低減しても、給与期間中の子豚の発育に影響はなく、銅・亜鉛の排泄量を大幅に低減できる。
[キーワード]動物栄養、子豚、銅、亜鉛、排泄量、発育、ビタミンE
[担当]京都畜研・中小家畜部
[連絡先]0773-47-0301
[区分]近畿中国四国農業・畜産草地
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 養豚用飼料には成長促進や飼料効率改善効果があるとして、銅と亜鉛が他の家畜の飼料よりも多量に添加されている。特に子豚期では日本飼養標準に示される要求量の20倍もの量が添加され、豚ふん中に高濃度で排出されている。そのため、豚ふん堆肥を土壌に施用した場合には、銅・亜鉛が過剰に蓄積し、作物の生育障害が懸念されるため利用促進上の阻害要因となっている。
 そこで、子豚用飼料への銅・亜鉛添加量の低減とビタミンE の飼料添加が子豚の発育に与える影響とふん中の銅・亜鉛量の低減の可能性について検討した。

[成果の内容・特徴]

     トウモロコシ、大豆粕主体、銅、抗生物質無添加の自家配合飼料で、日本飼養標準の養分要求量に準じた飼料を基礎飼料とし、異なる量の銅・亜鉛を添加した飼料を35日齢の離乳子豚に5週間給与して、2回の試験で検討した。
     1回目はデュロック種の離乳子豚12頭(4頭×3区)を供試し、銅半減区、飼養標準区、VE添加区の3区を設けて区毎に群飼した。飼養標準区は基礎飼料をそのまま給与し、銅半減区は基礎飼料に銅を自主規制上限量(125mg/kg:以下、上限量)の約半量(50mg/kg)を加え、亜鉛を上限量の120mg/kg加えた。また、銅の低減による発育の悪化を防ぐ目的で飼養標準区の飼料にVEを50IU/kg加えたVE添加区を設けた(表1)。
     2回目は、3元交雑種15頭(5頭×3区)を供試し、慣行区、飼養標準区、VE添加区の3区を設けて区毎に群飼した。飼養標準区、VE添加区の飼料は1回目の試験に準じた。慣行区の飼料は基礎飼料に銅・亜鉛をそれぞれ上限量加えた(表1)。
  1. 2回とも飼料消費量は飼養標準区が最も低く、2回目は飼養標準区が1.21(kg/頭・日)で、VE添加区より0.13、慣行区より0.14低い。飼料要求率は飼料消費量が多い慣行区が最も高く、銅・亜鉛の上限量添加は飼料要求率を高める傾向がある(表2)。
  2. 2回とも各区の体重に有意差はなく、70日齢の平均体重は3元交雑種でVE添加区が34.6±5.2kg、慣行区が32.6±3.3kg、飼養標準区が33.5±4.1kgと良好な発育を示し、銅・亜鉛やVEの添加効果は認められない(図1)。
  3. 70日齢に採取した乾物ふん中の銅量は、VE添加区30.0ppm、飼養標準区31.7ppmで慣行区736.1ppmよりも大幅に少なく、牛と同等の排泄レベルにまで抑えられる。また、亜鉛量も、VE添加区272.4ppm、飼養標準区284.8ppmは、慣行区936.4ppmよりも大幅に少なく、飼料中の銅・亜鉛量の適正化はふん中の銅・亜鉛量を大幅に低減する(表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 銅・亜鉛を低減した飼料を自家配合する場合は、原材料の割合によって子豚の嗜好性が低下する場合がある。特に魚粉割合の増加、糖分割合の低下は嗜好性を低下させる。

[具体的データ]

表1

表2

図1

表3


[その他]
研究課題名豚ふん中の銅・亜鉛の低減と良質堆肥の生産・利用技術
予算区分国補
研究期間1999〜2002年度
研究担当者八谷純一、岩井俊暁、山本哲也
発表論文等1)八谷ら (2001) 京都畜研成績 41 掲載予定

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