[成果情報名]

廃テンプラ油より作成した脂肪酸カルシウムの乳生産に及ぼす影響

[要約]廃テンプラ油の資源化を図るため、米糠に含まれるリパーゼを用いて脂肪酸カルシウムを生成し、この給与により、乳量が向上する。
[キーワード]乳用牛、廃テンプラ油、リパーゼ、米糠、脂肪酸カルシウム、動物栄養
[担当]岡山総畜セ・大家畜部・酪農科
[連絡先]0867-27-3321
[区分]近畿中国四国農業・畜産草地
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 低コスト・高エネルギー飼料としての資源化を図るため、(株)林原生物科学研究所が、米糠に含まれるリパーゼを用いて廃テンプラ油から脂肪酸カルシウムを生成した。
 脂肪酸カルシウムは、乳牛において泌乳初期及び夏期におけるバイパスエネルギーとして利用されており、今回生成した脂肪酸カルシウムの乳牛に対する有効性を確認するため飼養試験を実施した。すなわち、脂肪酸カルシウムを通常給与している飼料にDMで2%、5%添加する2回の給与試験(表2)で、泌乳中期の牛6頭を脂肪酸カルシウム給与区、対照区に分けて、1期3週間(予備試験2週間、本試験1週間)の2重反転試験法により実施した。

[成果の内容・特徴]

  1. 廃テンプラ油から生成された脂肪酸カルシウム(図1)は、DM中で粗脂肪32.9%、NFE28.4%、粗灰分36.4%(表1)で、ルーメン内分解率は10%(図2)と、大部分がルーメンをバイパスする。
  2. 脂肪酸カルシウム給与(DMで2%)により、乳量は向上する傾向にあり、乳蛋白質率は低下する傾向にある(表3)。
  3. 脂肪酸カルシウム給与(DMで5%)により、乳量は有意に向上し、乳脂肪率、乳蛋白質率は低下する傾向にある(表4)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 市販の脂肪酸カルシウムは、100〜300円/kgであるが、今回生成した脂肪酸カルシウムは20円/kgである。今後反応時の温度を上昇することにより、反応速度を上げることができ、製造コストの主な部分を占める市販リパーゼ使用量が減少し、更なる低コスト化が期待できる。
  2. 今回は短期の給与試験であり、血液成分中のGOT、γ-GPT等については差はなかった。長期間給与した場合の肝機能等への影響については留意する必要がある。
  3. 今後、給与割合・給与ステージ等の検討をする必要があるが、廃テンプラ油から生成した脂肪酸カルシウムは、低コスト・高エネルギー飼料として十分利用可能と思われる。

[具体的データ]

図1

表1

図2

表2

表3

表4


[その他]
研究課題名酵素等による食品副資源の有効利用技術の開発
予算区分国庫
研究期間1999〜2001年度
研究担当者秋山俊彦、吉元和明
発表論文等秋山ら(2002)岡山県総合畜産センター研究報告13:(掲載予定)

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