[成果情報名]

幼苗摘心苗を用いた丹波黒大豆の小型機械収穫

[要約] 丹波黒大豆において、育苗時に初生葉節の下で摘心すると茎が細く、直立性の強い草姿になり、小型機械(ビーンハーベスタとビーンスレッシャ)による刈取同時脱粒作業の能率が向上するとともに損失粒が減少する。
[キーワード] 丹波黒大豆、幼苗摘心、機械収穫
[担当] 京都農総研・作物部
[連絡先] 電話0771−22−5010、電子メールh-amano64@mail.pref.kyoto.jp
[区分] 近畿中国四国農業・作業技術
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 丹波黒大豆は土地利用型作物として省力大規模生産を行うことが必要であり、普通コンバインでの収穫は可能である。しかし、丹波黒大豆は、主茎長が高く、開張性で茎が太い特性があり、ビーンハーベスタ等の小型機械を利用した刈取同時脱粒が困難とされてきた。そこで丹波黒大豆の草姿を改善し、小型機械収穫による省力安定生産を目指す。

[成果の内容・特徴]

  1. 幼苗期に初生葉節の下で摘心すると子葉節から強い分枝が2本発生し、開張性の分枝が少ないため、株張りが小さくなり、株全体から見ても直立性の強い草姿になる(図1図2)。
  2. 幼苗摘心株は無摘心株に比べて茎は細くなり、主茎長は短くなる(表1)。
  3. 幼苗摘心株は無摘心株に比べて1株当たりの莢数は多くなり、10a当たり収量は増加する(表1)。
  4. 無摘心株では茎が太いため株元で刈ることが難しく刈取り位置が高くなり、その結果 刈残しが多くなる。幼苗摘心株は刈取り位置の茎が細いため、ビーンハーベスタ(B H808H)での収穫作業は良好である。また、ビーンスレッシャ(MD600CD)で の脱粒も幼苗摘心株は扱き胴に茎がつまることがなく作業性と収穫精度は向上する(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 幼苗摘心苗は徒長しにくいため、機械による移植にも適している。
  2. 刈取同時脱粒作業は冬季に降水量が多い地域には適さない。

[具体的データ]

図1 幼苗摘心株と無摘心株(定植期:写真左、成熟期:写真右)

[その他]
研究課題名 黒大豆の機械化収穫・選別技術の確立
予算区分 府単
研究期間 2001〜2003年度
研究担当者 天野 久

目次へ戻る