[成果情報名]

Phoma属菌によるゴボウの新しい病気「ゴボウ根黒斑病」(仮称)

[要約] 岡山県西南部において発生したゴボウ根部の黒変症状は、本邦で未確認のPhoma exigua及びPhoma sp.によるゴボウ根黒斑病(仮称)である。
[キーワード] ゴボウ、Phoma属菌、新病害、根黒斑病
[担当] 岡山農総セ・農試・病虫研究室
[連絡先] 0869-55-0543、namiko_itou@pref.okayama.lg.jp
[区分] 近畿中国四国農業・生産環境(病害虫)
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 岡山県後月郡芳井町で、特に連作した場合にゴボウ根の肌が黒く変色する「黒かけ」または「黒柿」と呼ばれる症状が発生しているので、原因を究明し防除上の資料とする。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. 3月下旬〜4月播種、9月〜翌年2月収穫のゴボウで、根部表面に1〜数cm、円形ないし楕円形、黒色の病斑を生じ、甚だしい場合には根部のほぼ全面が黒変する(図1)。
  2. 根の黒斑部からは、おもに菌叢の異なる2種のPhoma属菌(Pm1、Pm2菌)が分離される。両菌ともゴボウ根に対し病原性を示し、病徴が再現され、それぞれ接種菌が再分離される。
  3. 麦芽培地上でPm1菌は5〜25℃で生育し、生育最温が20〜25℃であるのに対し、Pm2菌は10〜30℃で生育し、生育最温が25℃である(図2)。
  4. 麦芽培地上の菌叢、形態的特徴及びNaOH水溶液を滴下した場合の呈色反応から、Pm1菌はPhoma exigua Desmaz.、Pm2菌はPhoma sp.と同定される(表1)。
  5. これらのPhoma属菌によるゴボウ根部の病害は本邦では未確認であることから、病名をゴボウ根黒斑病(仮称)と提案する。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本病菌のうち、Phoma exiguaはゴボウの葉にも寄生して黒斑症状を引き起こすことから、葉の罹病残さを処分する。また、伝染源となるゴボウ罹病根の処分を徹底する。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 病害虫・生育障害の診断と対策指導
予算区分 県単
研究期間 2001〜2003年度
研究担当者 伊東菜美子、那須英夫
発表論文等 伊東ら(2004)日植病報 70:223-224(講要).
平成13年度岡山県病害虫発生予察特殊報第3号

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